腎臓の再生に成功

移植カエルで正常に機能

 本学大学院総合文化研究科の浅島誠教授らが、カエルを使った実験で、未分化の細胞から腎臓をつくることに成功した。正常な機能を持つ臓器の再生に成功したのは世界でも初めて。将来は人間など高等動物にも応用できる可能性もあり、体外で作った臓器や組織を移植して病気を治す新しい医療に道を開く大きな成果といえる。

 この研究は、科学技術庁科学技術振興事業団の有泉高史、セン・チョン研究員との共同研究で行なわれた。研究グループはアフリカツメガエルの胚から取り出した未分化の細胞の塊を、体の各部分への分化を促すアクチビンとレチノイン酸を混ぜた溶液に浸し、腎臓になるように運命づけた。これを、腎臓になる部分を取り除いた別の胚に移植したところ、この胚は正常な腎臓をもつオタマジャクシになり、1カ月以上生き続けている。溶液に浸さなかった胚の一部を移植したカエルは腎臓ができず、1週間足らずで死んだという。
 これまで浅島教授らは、アクチビンの濃度を変えることでカエルの胚から腎臓、血液、筋肉、心臓、肝臓などを作り出すことに成功してきたが、他のカエルに移植して順調に育ったのを確認したのは世界でも初めての成果。今回の実験によって、人工的に作り出した器官が、生物の発生の過程で形づくられる臓器と同様であることも確認された。
 浅島教授は「人間などせきつい動物でも似た仕組みで受精卵から個体になっており、将来は同じように臓器を再生できる可能性がある」と話している。この研究成果は16日からイタリアで開かれた国際両生類会議で発表された。


本学4年生

高速に飛び込み即死

 21日午前4時ごろ、茨城県高萩市秋山の常磐自動車道上り線の路肩から男性が走行車線に飛び込み、保冷車と乗用車に次々とはねられ、全身を強打して即死した。
 茨城県警の調べによると、死亡したのは横浜市都筑区中川に住む、本学4年の広瀬邦彰さん(21)だった。
 広瀬さんはこの日、本学のサークル「スポーツ愛好会」のメンバー約140人と合宿に来ていた。合宿は18〜21日の3泊4日で行われており、20日は合宿の打ち上げで21日午前1時ごろまで宴会をするなどして、ほぼ全員が起きていたという。この合宿に何らかの原因があったのではないかと、同県警はサークル関係者から事情を聞いている。


工学系研究グループ

世界最小携帯センサー開発

 心臓発作や脳卒中などを検知し、病院に自動通報する世界最小の携帯型センサーを本学大学院工学系の研究グループが開発した。
 センサーはたばこの箱ほどの大きさで、重さは約100g。電極と一体型にして胸部に装着する。電極で心電図をとるほか、加速度計と傾斜計で装着者の姿勢の変化も同時にチェックできるため、生命にかかわる発作を高い確率でとらえられる仕組みになっている。データは無線で自宅に置いたパソコンに送信。診断用ソフトがデータを解析し、必要ならばパソコンが自動で病院に通報するという。


旧駒寮居座りメンバーが盗電行為

 旧駒場寮に居座るメンバーによる盗電行為がこのところ続いている。今月3日に起きた旧駒場寮南ホールの火災によって電力の供給源を断たれた同メンバーが、第二体育館二階およびロッカールームなどから、延長コードによって旧駒場寮内へ電力を送っている模様。
 これに対し学部側は18日、教養学部(駒場キャンパス)掲示板と正門前に「警告」と題する掲示を貼り出し、盗電行為が刑法に違反する犯罪行為であることを明記するとともに、この行為がこれ以上続くときは断固とした措置を取ると警告している。


キャンパス情報

★東京大学コレクション展

 博士の肖像 〜人はなぜ肖像を残すのか〜
 学内の随所に飾られている歴代教授たちの肖像画及び肖像彫刻を展示し、そもそも人はなぜ肖像を残すのかという問題を考える。展覧会に先立ち、学内の肖像画・肖像彫刻の所在を調査した結果、学内には約200点の作品が所蔵されていることが判明した。これらの作品について作者・製作年等の調査を行い、約60点の作品を公開する。
会期  10月1日(木)〜11月15日(金) ※毎週月曜日休館 
開館時間  10時〜17時(入館16時30分まで) 入場無料
会場 東京大学総合博物館1階展示ホール(本学本郷キャンパス赤門入って右)
問合せ 総合研究博物館事務室庶務掛 03-3812-2111(内線2802)

★第5回(平成10年度)東京大学教育学部公開講座受講生募集

 「子どもの社会的自立にどうむきあうか―家庭・学校・地域社会の連携―」
 経済社会が大きく変化するなかで、家庭と地域の教育力が衰退し、親にとって子育てが、子どもにとって自立することが、かつてなく難しくなっている。同時に子育てのために家庭、学校、地域の連携をはかり、開かれた学校をつくりだすさまざまな取り組みが広がっている。
 こうしたなかで、大人は子どもの社会的自立にどうむきあったらいいのか。この公開講座では、そのことを真剣に考えてみる。
会場 第1回・第4回 東京大学教育学部附属中・高等学校
 第2回・第3回 なかのZERO(もみじ山文化センター)西館
プログラム 左表参照
<申込要項>
募集対象 一般成人・教育関係者・大学生
定員 80名(先着順)
受講料 6,400円(4回分とおし)
申込期間 9月14日(月)〜10月15日(木)
申込方法 往復はがき
申込み先 〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学教育学部事務部 公開講座係 TEL 03-3812-2111(内線3902、3903)


 世界No.1大国のリーダーがぶざまな醜態をさらしている。言うまでもなくクリントン大統領の不倫もみ消し疑惑である偽証も問題だが、「不適切な関係」はもっと問題だ。米国内では、経済が好調なだけに不倫には目をつぶって大統領を支持する人も多いようだが、米国のほとんどのマスコミはクリントンを批判しているという。大統領の不倫は単なるプライバシーの問題では済まされないからだ不倫は人格がないことを証明する。人格なき者に大統領は務まらない。なぜなら、大統領は国民を幸福に導かなければならないが、経済発展はその要因の一つにすぎず、自らの人格をもって国民の前に手本となり、国民を指導する必要があるからだ。それが不倫の手本になってしまっては、家庭崩壊に拍車をかけ、国民を不幸に導くようなものだ。経済が衰退するのも時間の問題であろう。エイズ大国になった米国は今、70年代の性解放を反省し、家庭再建に努めるべき時なのである95年から米国では純潔運動が始まったと聞く。フリーセックスや不倫に辟易した若者たちが始めたこの運動は、今勢いよく広がっている。もはや時代の流れに逆行するリーダーは必要とされない。21世紀は性倫理において清いリーダーのみ支持される時代になるはずだ。