今、防災について(21)

福井地震では学生支援隊が活躍

 今年は「福井地震」から50年目に当たり、福井で「世界震災都市会議」が開催された。地震は昭和23年6月28日午後5時14分(サマータイム)に発生した。各家庭では、そろそろ夕食の準備が始まりかけた時間で、焼失家屋も3851戸に達した。死者は3769名に達し、20世紀では関東大震災に次いで死者の多い地震で、「兵庫県南部地震」が発生するまでの50年間死者が300名以上発生するような地震はなく、地学的にも平穏無事な時代が続いたのである。「福井地震」で気象庁は後で従来の震度階6を7階級に変更することとなる。家屋の倒壊は南北60km、東西20kmの範囲に及び、全壊率50%に達した地域は下文殊村県北境までの32km、東西20kmの範囲となった。全壊100%の村も7カ村に達した。
 『福井震災誌』によれば地震の翌日29日には、京都学生同盟が来県。被災民を激励するとともに、復旧工事に着手した。金沢・東京・東海遠く九州からも続々と到着、合計二十数団体総勢六百余名が学生救援隊を組織して、本部を県会議事堂において、緊密なる連絡のもとに震災各地で突貫工事に従事した。特に22年秋利根川決壊当時、築堤工事に従った東京学生同盟植樹団・紅陵大学などの学生は梅雨時の九頭龍川・足羽川堤防の状況から危険を直感し、県当局を動かして築堤工事を引き受けた。7月20日には豪雨ありと想定を下して、東京から増援を求めて不眠の工事を続行した。
 幹線道路の復旧、復興資財の輸送、電気器具の修理、青空教室での授業再開、倒壊家屋の復旧に協力する学生も多数あった。医学部の学生は救護所を開いて傷病者の看護にあたるなど広範囲に活躍した。これに地元の福井工専、福井師範の学生も協力し若人の努力の結晶は日とともに大きくなった。
 『立教大学阪神淡路大震災ボランティア活動報告書』によれば、震災の帯に入る東灘区本庄小学校に2月6日から3月31日まで、1人平均1週間の活動を1日平均12名(男7名、女5名)が実施した。朝食準備・ゴミ運び・水汲み・昼食支度・風呂当番・夕食準備・夜警などを行なった。2月11日より自衛隊温食サービス停止に伴い、炊き出しを開始した。地震発生から1カ月が過ぎると、トイレや校舎内の掃除を住民側が実施するようになった。本庄小学校は震度7の激震区にあリ、東棟校舎は全壊し、避難場所となった西棟校舎には150名の避難者がおり、外部からの食糧配給受領者が100人位あった。
 「兵庫県南部地震」に関する学生の動きを総括的にまとめたものはないが、個別的に報告がいくつかあるのみである。二つの地震を比較すると「福井地震」の当時は自衛隊も存在せず、若い人の力が社会からも大きな期待を持たれていた。これは当時の青年団活動にも伺える。「兵庫県南部地震」では各大学にまだ災害を想定したボランティア組織もなく、自治会活動も衰退してきており、神戸商船大学寮のような例もあるが、立教大学のような宗教系の学校等において被災民救護救援の動きはあったが、組織的に効率ある行動を連携を取り即刻行動するようなシステムがなかったようである。

 <都市防災研究会 代表補佐 大間知倫(おおまちひとし)
S33年経卒 TEL045-844-2885>


イベント情報

中国大洪水被災者救援CD発売
 1998年、地球上の各地で、人々は異常気象に襲われた。初夏を迎えた中国では、降り続く豪雨で長江(揚子江)は氾濫し、江西省、湖南省、湖北省、安徽省、四川省、福建省は水没した。家々は流され、長い間水没したままであり、田畑も一面の水を冠ったり流失してしまった。名勝洞庭湖の水嵩も想像を超えた域に至った。また、中国東北部の吉林省、黒龍江省の嫩江、松花江が氾濫し、水没面積は北海道の2倍にも広がっている。営々と耕された農地は満々と水をたたえ、人々は生きる力を失いかけている。死者は4000人を超えるといわれる歴史的大洪水、しかも今又酷寒の冬将軍の迫りくる恐怖、手足はおろか顔までの凍傷、迫り来る飢餓、悲嘆のどん底に沈む中国の被災地の人々…。
 この人達に一刻も早く、ささやかながら愛の手をさしのべたい、一人でも多く生き延びて欲しい、一人でも多く苦しみから解放されるよう祈りながら日本から愛の手をさしのべたい。
 唇に歌を、心に希望を≠合い言葉にがんばれ中国の民=B
・タイトル 「光・愛/泣かないで パパ・ママ」
・定価 1000円(税込み) ※収益金は中国大使館を通じて被災地に贈られます。
・企画 葉 青
・曲目 「北国の春」「アジアの純真」「長江之歌」「何日君再来」など
詳細問合せ先
アジア文化交流センター 東京都新宿区新宿1-5-6 御苑ビル8階 TEL03-3355-3055 FAX03-3355-9166 担当 飯原正敏

E-mail:adm@acec.co.jp


赤門クロスNo.88

 今回はオーソドックスな問題です。クロスができ上がったら、二重ワクのなかの文字を適当に並べると、ある人物の名前が出てきます。それが今回の答えです。がんばって解いてみてください。(出題T・F)

タテのカギ

1.京都・大阪・滋賀・兵庫・奈良・和歌山・三重の2府5県を含む地方
2.この能力があると、危険を回避することができるかもしれません
3.ドイツの新しい首相。9月のドイツ総選挙で社会民主党が第一党となり、コール政権からの政権交代を果たしました
4.イタチ科の哺乳類。頭胴長40センチほどで、季節によって変わる美しい毛が特徴的です
7.交響詩「フィンランディア」で有名なフィンランドの作曲家
8.聖徳太子を中心とした、日本最初の仏教文化で有名な時代
10.大豆には良質の――質が多く含まれています
11.お祖父さんとお祖母さんのこと
14.茨城県のある都市。納豆で有名
16.←→有機

ヨコのカギ

1.秋の七草の1つ。秋に青紫色の花をつける
3.能や狂言で、主人公となる役のこと。←→脇・連
5.――金・――粋・単――
6.1957年に首相に就任し、60年新日米安保条約批准を強行して総辞職した人物。タカ派の政治家として、強い影響力を持っていた
9.38年ぶりの優勝で大いに盛り上がっています
11.気心が合わないこと。「――が合わない」
12.古本で有名な、本郷にも近い学生の街
13.かつお――のだし
15.マーガリンや石けんの原料になる、アブラヤシの果肉からとった油のこと。――オイル
17.1961年に旧ソ連の宇宙飛行士ガガーリンが搭乗して打ち上げに成功した、世界最初の有人人工衛星


応募方法

 誰でも応募できます。答えを「東大新報 赤門クロスワード係」に送って下さい。住所・氏名・電話番号・大学(職業)・学部・学年(年齢)、紙面に対するご意見、ご感想をお書き添えください。

プレゼント

 正解者の中から抽選で10名の皆さんに「東大グッズ」をプレゼントします。当選者の発表は賞品の発送をもって替えさせていただきます。締め切りは11月9日(月)です。どんどんご応募下さい。


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