淡青手帳

第853号(2002年2月25日号)

 いよいよ卒業を迎え、本紙編集員としての責務を終えることになりました。その間多くの方々にお世話になり、本当に感謝しています。少しの休みに帰省させてもらいました。静かに回想する四年間の大学生活、沢山のシーンが思い浮かびます。

 全国から集う新しい仲間や先輩後輩との出会い、目の回る実験や試験、学園祭など。でも何より大切にしたいのは、「東大への愛着」です。愛校心で本紙を購読して下さっている皆さんには、きっと共有して頂けるかと思います。

 東大と言えど、確かに人生の通過点に過ぎないのかもしれません。しかし、自分の将来を定め、これからは日本の発展に責任を負わねばならぬ、と身を切るような思いで歩んだこの四年間を、誰が否定できるでしょうか。

 今年度も二月末、東大を目指す初々しい学生たちがやってきます。彼らの目には何が映っているのでしょう。多くの人々が新しい生活に胸ふくらませ、そしてわずかな時の中で打算的になっていく姿を見てきたのです。

 先は見えないかもしれない。でも一度でいいから自分の限界に挑戦してみようよ。その時こそ、自分の成すべきことが見える。そして母校を愛する気持ちが芽生え、誰よりも日本を東大を良くしていこう、という素直な気持ちになれるから…

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