淡青手帳

第892号(2003年6月25日号)

 1年前、日本中がサッカーの祭典、W杯に沸いていた。世界各国が威信をかけて熱戦を繰り広げた1カ月。開催国の日本と韓国は過去最高の成績を残し、世界にそのレベルの高さを示した。

 W杯後ジーコ監督が就任し、日本サッカーは2006年のドイツW杯に向けて始動した。海外で活躍するメンバーを中心に自由度の高いサッカーを目指すジーコ・ジャパンだが、その船出は順調ではない。現在までいくつか代表試合が行われたが、白星は僅か2つ。今回のコンフェデレーションズカップでは予選敗退を喫した。そのような中、マスコミやファンなどの間で「ジーコ監督続投すべきか」と議論され初めているが、思わしい結果を残せていない以上、それも仕方がないことだろう。

 昨年のW杯で韓国を率いたヒディング監督もまた就任当初は結果が伴わず、ファンやメディアから非難され、一時は解任の話まで出た。しかし時間をかけてチームを作り上げ、見事アジア初のベスト4進出という結果を最後には残した。

 良いチームを作るには多少の時間がかかるものだし、物事を長期的に見つめることは簡単ではないかもしれない。しかし、日本代表に結果が伴わない時だからこそ、次回のW杯で最高の成績を残せることを信じて、応援して支えていきたい。

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