第904号(2003年11月25日号) |
11月に入り暖房を出した家も多いのではないだろうか。そんな霜月の初め、大阪府河内長野市で会社員の一家三人殺傷事件が起きた。殺人容疑などで逮捕されたのは、長男の私立大1年生。逃走に同行した高校1年の女子生徒は、河内長野署の調べに対して「お互いの家族を殺し、しばらく二人だけの時間を過ごしたら一緒に死のうと考えていた」と話したそうだ。 木々が落とす葉もなくした霜月の中頃、千葉県警我孫子署は、5歳の二女加織ちゃんを虐待したとして、その母親と祖母を逮捕した。加織ちゃんは頭を強く打ち、15日夜に搬送先の病院で死亡した。調べでは、母親は11日午後3時ごろ、自宅で加織ちゃんの腰付近を蹴るなどし、祖母は11月上旬、加織ちゃんの頭を平手で数回殴った疑い。二人は「しつけでやった」と供述しているという。 最近このような事件が続発しているが、それを聞いてどれだけの人が心を痛めているだろうか。これはどこか遠いところの話しでも、遠いむかしの話しでもない。まさに今日本で起きていることなのだ。 人は父と母のもとに生まれる。その親子で構成されるのが家族と定義すれば、いのちが生まれ出る関係が家族となる。そう考えれば、家族のなかで殺し合うことがどれほど異様なことかわかるだろう。
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