淡青手帳

第918号(2004年5月15日号)

 アテネ五輪開幕まで100日を切った。今回は、シドニー五輪で金メダルを獲得した高橋尚子選手の落選はあったものの、谷亮子選手や北島康介選手、サッカーや女子バレーなど各種目の有望な選手、団体が続々と出場権を獲得した。

 1896年、第1回近代五輪がアテネで開催された。最初の五輪には14カ国から300名近い選手が参加。古代ローマ時代の競技場・パンアテナイなどで、10日間に渡る熱戦が繰り広げられた。近代五輪は、スポーツ教育を熱心に研究していたフランス人貴族ピエール・ド・クーベルタン男爵の呼びかけで始まった。彼は、パリのソルボンヌ大学で開催され、米国やロシアを含む九カ国のスポーツ関係者が出席した国際スポーツ会議で、国際的スケールでの「古代五輪の復興」を提唱。彼の主張は会場を埋めた人々の熱狂的な指示を受け満場一致で可決、ギリシャ国王の協力を受け、われわれの知る近代五輪が誕生した。

 シドニー五輪では、高橋尚子選手や女子ソフトボールなど女性の活躍が目立った。また平和の祭典ということで、北朝鮮と韓国の選手が手をつなぐ合同行進が実現したのも感動的だった。五輪発祥の地に戻る21世紀最初のアテネ五輪でも「平和」というメッセージとともに日本選手の活躍を期待したい。

918号記事一覧へ