私はこういう勉強をした
十一月三日、渋谷のルノワールで、本紙主催の「合格者座談会」を開催した。これは、前回の「合格者アンケート」に続く、受験生特集の第二弾。現役の東大生に集まってもらい、自分自身の体験を参考に受験勉強の様子を聞いた。
「今の時期に何をしていたのか」、「どういう勉強をしていたのか」、「学生生活の様子はどうなのか」など、率直に語ってもらった。これから受験する人たちに参考になってくれれば幸いだ。
参加者
住田君(理一2年)
若林君(理一1年)
栗田さん(理三1年)
佐賀君(文学部4年)
山田さん(慶応大文学部2年)
司会(教育学部4年)
司会 最初に自己紹介をしてもらいます。私は、青森高校出身です。理科T類に入学しましたが、文転して教育学部の四年に在籍しています。今は、東大新報の編集長をしています。
若林 理科T類の一年で、茨城県の私立江戸川学園取手高校出身です。
栗田 東京大学理科V類で、神奈川県の私立桐蔭学園高校出身です。
山田 慶応大学文学部社会学科二年です。東京の成蹊高校出身で、駒場に住んでいるので、東大新報のお手伝いをしています。
住田 理科T類の二年で、毎年二十人くらい東大に入ってくる県立の進学校です。
山田 今、文学部の四年で、出身校は愛知県の千種高校です。最近はあまり東大に入らなくなってきています。一年に二、三人くらいしか東大には入っていません。
この時期に何をしていたか
司会 今回は、受験生座談会ということで、受験の虎の巻をあかしてもらえればと思います。去年の今頃の心境だとか、どんな勉強をしていたかなどを話してください。
山田 今頃は、センター試験の前だから、どんどん問題集を解いている頃でした。センター試験の対策は、一か月前くらいからです。東大は二次試験の比率が大きいので、あとは二次対策の勉強をしていました。
東大模試の判定は、E判定が続いていました。国語と数学と英語の三科目だけで、一度だけB判定が出たので、東大をねらおうと思ったのですが、社会とか理科は浪人生にかなわなくて…。点数が伸びてきたのは、センター試験が終わってからです。河合塾で合格率二〇%という判定だったのですが、でも絶対に受かろうと思っていました。
住田 東大模試の判定は、だいたいBでした。去年の今頃は、Z会とか学校の問題集を勉強してました。センター対策は学校でやってくれました。
Z会では、数学、理科、英語、国語をやっていました。Z会を始めたのは、受験の年の十月くらいからです。
司会 東大を意識したのはいつごろからですか?
住田 高校二年のはじめです。
若林 僕は一浪なんですが、現役の時はただ大学を受けたというだけで、受験勉強らしいものは何もやりませんでした。現役の時受けたのは、東大の理科U類だけです。一浪の時は受験生らしく勉強してて、今頃はZ会をやってました。東大模試とかも受けたりしました。一浪の時はだいたい判定はAでした。
大事なのは教科ごとではないでしょうか。自分で取れたと思った教科でちゃんと取れているかどうか。Z会は東大コースの英語・数学・物理をとっていて、受験時代はそれしか勉強しませんでした。あとは、「大学への数学」をやっていました。
住田 「大学への数学」は難しいよね。
若林 予備校は在籍していただけで、全然通ってなかったです。四月からはZ会と「大学への数学」だけで忙しくて…。Z会も締め切りに間に合わなくて、速達で出しに行ったりしてました(笑)。毎週毎週、郵便料金がかかって困りました。
栗田 私も一浪なんですが、現役の今頃は現代文の問題集ばかり解いてて、他には何もしなかったです。理系なんですけど、解いてると面白くて。
現役の時は怖いという感じで、模試はあまり受けていなかったんです。東大の理科V類は、E判定ばかりでした。昔から理Vに行きたいと思ってました。浪人した時はA判定も結構出ました。
司会 理Vはいつからねらっていたんですか?
栗田 高校一年くらいの時から、ねらうのが面白そうだなという感じで。
司会 理Vに入りたいというのと、医者になりたいというのとどっちが強かったですか?
栗田 理Vだったかな。そんな人が受かっていいのかという感じですが…(笑)。今は、せっかく受かったから医学部に行こうと思ってます(笑)。
司会 大学生になった今は、勉強をしてますか?
栗田 医学に関してはまだやっていないです。後で四年もやるかと思うと、今からやる気はしないです(笑)。
司会 若林君は、進振りはどこへ行くんですか?
若林 物理系です。高校の時は医科歯科クラスにいたんですけど、物理をやりたいと思って、理Tを希望してました。
他にはどこを受験したか
司会 住田君は、はじめから理Tをねらってましたか?
住田 やっぱ行くなら、東大の理Tだと思っていました。他のところは、受けなかったです。
若林 僕は、現役の時は、東大だけです。二浪するつもりはなかったので、一浪の時は早稲田の物理を受けました。
栗田 私は、慶応の医学部と、防衛医大です。全部受かりました。現役の時は、慶応の医学部だけ併願して、補欠合格でした。だけど、繰り上げ合格の電話が全然かかってこなかったので、だめでした。
山田 僕は、慶応の文学部と東大の文Vだけしか受けませんでした。
山田 私は七つも受けたんです。東京女子大、明治、成蹊、早稲田、東京外語大、慶応とあともう一つ、忘れてしまったけど…。早稲田は落ちて、あとは全部受かりました。
司会 東大は考えなかったのですか?
山田 何も、考えなかった(笑)。私は、慶応の自己推薦をねらっていたんですが、ちょうど今くらいに第一審査で落ちてしまって、びっくりして慌てふためきました。それで東京外語大を第一志望に変え、全然やっていなかった数学も何となくやり始めました。
集中して勉強するのがコツ
山田 今回の合格者のアンケート結果を見ても、センター試験前とセンター試験の後でもそんなに勉強時間が変わらないですね。“たくさん勉強している”というよりは、“集中してやっている”という感じですね。「要領よくやる」というモットーの人が多かったですが、頭の働いている時に、いかにやって飲み込んでいくかということがポイントみたいですね。
住田 一日に十時間とか、十二時間とか勉強する人もいるというのを聞くのですが、そういうのは絶対に不可能だと思ってました。原理的には、時間の割り振りとしては可能ですけど。でも、集中力が続かない。
山田 だらだら勉強するんではなく、日頃から短期集中で勉強したほうが、本番の時にも集中していけますね。
司会 勉強するコツとかはありましたか?
栗田 高校三年生の時までは、試験前にバーッとやればいい、という考え方をしていたのですが、一浪してから考え方が変わりました。とにかくひたすら努力するしかない、という感じで、一日に十二時間勉強することもありました。浪人してからは、暇さえあれば勉強という感じでした。一浪してからは、本当に必死になりました。
司会 理Vに行きたいという目的観はしっかりしていたのですね。
栗田 理Vに入らないと気持ちが悪いという感じで。
若林 僕は、好きなことしか勉強しなかったので、受験時代の九五%くらいは数学をやっていました。
住田 配点は一番高いですね。
若林 しかも、とらなきゃだめなところです。しかし入試では、四十点くらいしか取れませんでした。実は、数学はすごく好きなんですけどすごく苦手で、現役の時には十点くらいしか取れなかったのです。数学の勉強は、Z会の問題とか調べたりしました。数学さえ何とかできれば絶対受かるだろうと思ってました。やることははっきりしてたから、やりやすかったと思います。
司会 数学は苦手だけど好きだった? 好きなんだけど、解けないんですか?
若林 ええ(笑)。好きなんだけど、難しい問題は解けない。今年の入試は、「多分受かったけど、数学はできなくて残念」という感じで、帰りました。
予備校と採点方法が違う?
司会 数学の採点の仕方について、ちょっと裏情報を聞いたことがあるのですが、予備校とかで言われているのとちょっと違う部分で先生が評価しようとしているみたいですね。
数学の採点では、答えができているか、ということよりも、そのプロセスを見るという感じらしい。高校の範囲を超えた数学を使えば答えがいきなり出る問題もあるらしいんだけど、与えられた知識のなかでいかに自分なりのオリジナリティーを持って試行錯誤やろうとしているかどうか、そういう部分を見ているみたいですね。
住田 確かに数学などは、「書け書け」と言われますね。とにかく紙の上に何か書いておけば点数くれるみたいな。
司会 部分点と言いながら、相当高い点数が取れたりすることもありえますね。
この社会に出てみれば、問題がどこにあるのか自体が分からないし、問題があっても答えが出るかどうかも分からないということが多いでしょう。だから、学生の能力をみるときに、いかに問題に試行錯誤をしながら向かっていけるか、というそういう能力を見たいんだと思う。E判定でも受かったとか、A判定の人が落ちたとか聞くこともあるし、大学入試は予備校とは違う観点で採点しているんじゃないかな。
山田 世界史とかでもそうですね。センターでは単語を覚えるという感じだけど、東大の試験は全部論文なのです。「何々の意義を答えよ」、とか、「流れを説明せよ」とか。きちんと歴史の意義とか流れまで理解していないと解けない問題です。教官もそういうところを見たいんだと思います。
そういえば、僕の理系の友達で、東大の数学の問題はよく考えられているので、受けてみたくなったという人がいましたね。
司会 確かに、問題がよく練られてますね。
住田 確かにいい問題だと思います。
自分なりの勉強観がある!
栗田 私は国語が得意で、好きでした。一度、駿台の模試で国語が一番になったときがあって、自分でもすごいなと思いました(笑)。漢文とか古文とか自分で楽しみながら解いてました。もともと、小学校の時とか自分で古典とか読んでいたんです。“昔の世界”が好きなんです。
住田 古文というのは、訳してみると、実はとてもくだらない話だったということがありますね。漢文とかは、教訓めいてますが。
司会 漢文と古文はずいぶん違うね。
山田 東大の文系は、文章力が必要だと思います。古文でも英語でも、文章力というか、国語の力だと思います。単語の意味が最後まで通じれば、それが答えだということが分かってくる。
司会 古文とか漢文は、文章の内容にも興味があるのですか。
山田 そうですね。最後に意味が分かったら感動します。ああ、そうだったんだと。
住田 読みながら自分の中で話を作っていく。センターだと答えが書いてあるから、その中の一つが自分の考えてきたことと当てはまると、これが解答だ、という感じですね。
栗田 私は、とにかく文章を読みまくりました。英語も同じで、とにかく読みまくりました。文法とかこまごまとしたこと覚えるのは嫌いなのです。
司会 単語帳とかは確認する程度ですか?
栗田 単語帳は使ったことがありません。Z会が大好きで、Z会の添削問題の文を読んだり、解いたりしていました。
山田 “読み”が主体ですか?
栗田 古文も漢文もそういう感じですね。要領は悪いかもしれないけど。
山田 本質的な力がつきますね。
住田 受験生からすると、それが理想的だけど時間がないですよね(笑)。
若林 僕なんか、あと十年たたないと理Vに受からない(笑)。
山田 全体的にできないと、理Vは受からないですね。
若林 国語は何か知らないけど読めるという感じでした。
司会 読書とかしてました?
若林 いや、別に(笑)。文法事項の暗記や、単語の暗記を一生懸命やってる人を見ると、何をやってるんだろうという感じでした。
住田 でも、単語力は基礎じゃない?
若林 英語は単語が分かっても、全体が分からないとしょうがない。僕はけっこう単語を知らない受験生でした。でも英語と物理と国語は得意だったんです。英語と国語は、読んで書くことではないでしょうか。単語帳は持ってませんでした。
住田 僕も“読んで書く”ことをやっていました。でも、やっぱり単語とか基本的な文法が分からないととても不安ではないですか。単語帳は、英語、古文、漢文それぞれ一冊ずつ持ってました。その上で、いろいろ読みました。
若林 単語帳は覚えるのが大変だし、覚えたものがなかなか出てこないし、だから虚しいなと思いました。クラスで単語帳のテストがあったけど、そういうのは違うんじゃないかと思っていました。
司会 自分の勉強観があるんですね。
若林 「サイエンティフィック・アメリカン」というアメリカの科学雑誌がありますが、あれを定期購読していました。
住田 僕は、学校の言うとおりにやってました。受かった後に振り返ってみると、学校の言ってることは案外正しかった、と思います。
司会 そういうパターンも多いと思いますね。僕の友達でも、自分で英語のファインマン物理学を高校の時から読んでた友達もいましたけど。
住田 先取りして勉強している人がよくいましたね。高三の十月くらいに学校でやることを四月くらいにやっている人。そういう話を友達がしているのを聞いて、けっこう不安でしたけど…。まだ二次曲線を習ってないときに、楕円とか双曲線とか描いたりしてたりしているのです。でも、そういう先取りは必要ないと思います。
Z会は役に立ったのか?
司会 他の科目の勉強の仕方はどうでしたか?
栗田 僕はZ会ばかりやっていました。高二の夏頃から、Z会の旬報に載っている問題と解答を見て、ひたすら解いていました。
山田 やっぱZ会は強いんだね。
住田 答えとかがとても丁寧ですね。
若林 Z会だけやってればいいと思います。数学にしても物理にしても、Z会の問題をずっと考えていればいいと思います。
住田 知り合いでZ会やってて落ちた人がいますけど、「Z会はいかん」と言ってましたよ(笑)。
山田 一人一人にあったやり方があると思うから、一概には言えないと思う。
若林 一方的に問題が送られてきて、やりたければやりなさい、というZ会の態度がとてもいいんです。
住田 僕だったら、高二の時にZ会の問題を見てもできなかったと思います。基礎力の下地がない人がZ会をやっても、絶対に身に付かないですね。
若林 「大学への数学」で基礎の方をやってて、難しい総合的な問題でZ会をやっていました。「大学への数学」は毎月テーマが決まってて、それに沿ってやっていけば一年間で無理なくできるようになっていると思います。二次曲線を初めて描いたのは、浪人してからでしたし…(笑)。
司会 よく受かりましたね(笑)。結局、人から言われてやるより自分が安心してできるものを探してやったほうがいいですね。
若林 化学が非常に苦痛でした。嫌いという以前に、関心がありませんでした。無機化学の系統分析さえ解いたことがないんです。センター試験は六十二点でした。
住田 オールラウンダーが一番強いですね。僕も最終的にはオールラウンダーになったような気がします。
司会 苦手科目を伸ばすのは大切ですよね。
山田 苦手科目は五十点くらい伸びることがあるけど、得意科目は十点くらいしか伸びないことが多いですから。
栗田 現役の時は、駿台のテストで数学は最高でも四十点くらいしか取れなかったんですが、浪人してから難しい問題をピックアップして、“どれだけ時間をかけても解く”、という訓練を繰り返したら、最終的には解けるようになりました。
今の受験生にアドバイス
司会 今、受験を迎えている人にアドバイスはありますか?
住田 センターの勉強をやるか、二次の勉強をやるかというところですよね。
山田 センターは一か月前からですね。それまではほとんど二次の勉強でした。
若林 社会は三日くらいしかやりませんでした。理系では、社会は直前勝負だと思います。センターで詰め込んで、さっさと忘れる。
山田 文系の場合も、生物を直前にパーっとやって、一番頂点に達したときにセンターを受けて、あとはスーっと…(笑)。
若林 地理で受けたんですけど、直前に地図帳に真っ黒になるくらいに書き込んで勉強して、七十九点でした。
住田 世界史の場合は、それなりに理解しないと解けないというところが、理系でもありますね。
山田 世界史は三次元的に覚えなければならないですね。まず国の歴史を覚え、次に横の時代を覚え、さらに文化史と政治史とか一つのテーマで覚えなければならない。特に東大の場合などは。
栗田 私は地理でしたけど、高校の三年間全然勉強してなかったので、地理のセンター試験問題集を買い漁って、センター直前二週間は地理ばっかりやっていました。浪人してからは、直前一週間でやって八割くらい取れました。
若林 地理は“ちょろい”ですよね。自分は、アフリカと南アメリカにヤマをかけていたのですが、南アメリカが出たような気がします。
大学に入ってからの生活は
司会 話は変わりますが、大学に入ってからのことを聞かせて下さい。はじめに持っていたイメージとの違いとか、学校のクラスのこととか。
住田 イメージが全然違いますね。誰も何も教えてくれないし、落ちこぼれても誰も何も言わないし、単にD(不可)がくるだけだし。割合、自由度があります。授業は理系科目の場合ふっとんでますから、自分でやらないと、いわゆるマイペースでやらないと苦しいというところはあります。
司会 主体性が必要とされるという感じですね。急に自由空間に投げ出されるという感じだし。東大は堅い人ばかりかと思ってたけど、意外と変わった人も多い。個性的というか。
住田 あまり、クラスという感じはしないですけどね。
山田 文Vはクラスのまとまりが強いですね。文V劇場を一緒にやるというのもありますし。
司会 理Vは女の子で集まったしますか?
栗田 理V生だけでかたまるということはありません。
司会 大学に入ってからのイメージはどうですか?
栗田 やっと自分のやりたい勉強ができる、という感じです。自由にできるので、うれしいなと思います。
住田 授業はどうですか?
栗田 私は基本的にあまり授業出ない人なので…(笑)。必修はまあ、試験直前に詰め込むという感じです。
住田 どれくらいやるかというのは自由なんですが、これをやりなさいという方向そのものは、明確に“ぱんぱんぱん”と示されている。僕なんか、それで手いっぱいです。
若林 思ったよりやりたい勉強ができない。必修科目がけっこう厳しくて、これをやりなさいということが厳しくて…。それでもやってないんですが(笑)。自分も授業はあまり出てないんです。先週は体育と実験しか出ていません。
住田 語学も?
若林 語学も出ていません。中国語は簡単だから。数学はやらないと全然分かりません。やっぱり自分でやらないと。物理は、まだ昔の貯金で食っていけるという感じです。
司会 貯金が切れたら結構怖いね(笑)。
若林 構造化学は、最初から借金しかありません(笑)。
住田 力学とか電磁気ならまだいいんですけど。
司会 量子力学はギャップが深いよね。いきなりシュレンディンガー方程式と言われても、はっ?という感じ。
住田 授業は出なくても別に出席取らないし。やらないと単にドラ(D=不可)がくるだけだし。成績表一枚だけで決まってしまう。
進振りについてどう思う?
司会 進振りについてはどう思いますか?
若林 高校までと違って、いろんな世界を覗けるようになっていますね。そのために教養学部があるから、それを活用すれば、進振りはいいと思う。好きなところに行けるか行けないかは別にして。
山田 枠をもっと柔軟にしてほしいですね。十人で切ってしまうとかではなくて、本当に勉強したい人は取る、というような柔軟性。
住田 クリーンな制度ではありますよね。
司会 教養学部の制度が残っているのは、ICUと東大くらいみたいですね。大学に入ってから進路が広がるから、本当はいい制度だと思う。
山田 いざ入ってみてから自分のやりたいことと違ってたら困るしね。
受験生に勇気づける一言
司会 最後に受験生に勇気づける一言があれば。
若林 不安に思っているのは誰でもそうですから、ペースを乱さないで、開き直ってやればいいと思う。
栗田 とにかくやるしかないという感じです。今自分にできることは、精一杯やるということしかないという考えで。
住田 本番のテストで自分の実力の何%を出せるかという問題ですね。十一月、十二月の勉強では、自分が高校三年間で蓄えてきた実力をいかに一〇〇%出すか。そういう練習もまた一つの勉強だと思います。本番をイメージするような勉強をしたらいいと思います。実力を出せれば受かるけど、実力を出せなければ落ちるということは分かってましたから、いかに本番の二日間で実力を出すかということを、数か月前から練習しまくってました。
若林 受験時代に聞いて心に残っている名言が二つあるんです。「度胸八割、実力二割、親の付き添いマイナス五割」。もう一つは、試験前夜とかあまり寝れなくて試験中に眠ってしまうんじゃないかと、不安に思うかもしれないんですが、「試験中に寝られる心臓があれば、前の夜も寝られます」。
司会 そういえば、アンケートの中にも、試験に遅刻してかえって開き直って受けたという人もいましたね。
山田 僕の経験からすると、E判定でも気にするな、ということです。自分の力を出し切れば受かるということを信じて、前向きに考えてもらえれば。
司会 前向きにプラス思考でいくというのは難しいけど、けっこう重要ですね。今日はみなさん、ありがとうございました。
(終わり)