本学創立一二〇周年の記念事業が今着々と進んでいる。一二〇年というのは思えば長い年月である。
今回の記念事業は、現代の情報化社会を反映するように、ネットワークを用いた大きなものになりそうだ。
卵型のパビリオンも作る予定であり、多くの人々が関心をもってくれることだろう
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ところでネットワークといえば、本学では、教養部の時にコンピュータの授業があり、誰でも電子メールを送ることができるようになれる。
少し“やる気”を出しさえすれば自分自身のホームページもできる。
そして、その電子メールやホームページを通して、また新しい友人の輪をつくることができ、
大学生活をさらに充実したものにすることができるのだ
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一方、電子メールを使って交流をしたところで、情操は成長しないという話もきくことがある。
人と面と向って話すのが苦手な人がふえる、相手の情をあまり考えることができない、などということ。
確かにそういう面もあるかもしれないが、一方的にそう決められるものでもないはず。メールの利点もたくさんある。
短時間のうちに送信できるし、手軽に書いて送ることができる。また、交流の輪を広げることができる。
そして、それが個人の段階からさらに発展していけば、国境さえも越えることができるだろう
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世界平和が叫ばれつづけてはいるが、なかなか世界は一つにならない。
インターネットはこれから国境の壁を越え、
世界が一つの家族になる「地球村」にむけての有効な手段の一つになってくるのは間違いないことだろう。
それを大いに期待したいものである。
1997 東大新報