タイトル

  1. 語学は国際人への第一歩
  2. フランス語の学び方
  3. 英語の学び方
  4. 中国語の学び方

語学は国際人への第一歩

 人と人とのコミュニケーションはあくまで言語を通してなされる。世界中のすべての人間が超能力者であれば、言語を介さずともテレパシーで意思の疎通ができるが、それは映画や漫画の中での話である。言語が人と人とを繋ぐ最大の媒介体であることは間違いのない事実である。外的には、言語が世界を繋いでいると言っても過言ではない。
 しかし言語が相互の意思疎通において最大の媒介であるが故に、当然通過しなければならない大きな問題がある。それは言語の壁という問題である。同じ言語とは言っても、現実は世界中の人々がそれぞれに異なった無数の媒介体を用いているのである。

 今は国際化の時代と言われている。交通手段とインターネットの飛躍的な発達によって、世界は驚くほど狭くなった。しかし、そのインターネットもやはり言語を媒介としていることには変わりない。映像に込められる情報はごくわずかであり、重要な情報はやはり言語を介さずしては正確に伝達することはできないのである。

 このように考えてみると、やはり言語は国際化の重要な鍵であると言える。もしも世界中の人々が同じ言語を使い、通訳を介さずとも容易に理解し合えるとしたら、国際化はもっと早く進むだろうし、お互いの情をもっと理解し合うことができるだろう。そしてそのような世界こそ、人類一家族の世界であると言えるのである。世界平和の実現と真の国際化の実現のためにも、語学の学習はこれからの時代、極めて重要なものとなってくることは間違いない。

 大学時代はまだ、時間的に余裕がある時期である。まだ頭も柔らかく、多くの知識を吸収できる。いまこそ語学学習に最適の時期である。さあ、この記事を読んだ君、今すぐ語学学校にcall upし、真の国際人となろう!


フランス語の学び方

エコール・プリモ フランス総合研究所所長 一川周史先生に聞く

動機を持つことが重要、現地で生活することも効果的

 毎日熱戦が繰り広げられているサッカーのワールドカップ。全世界の目が今、フランスに向けられている。この影響かフランス語を学ぶ人が増えてきているそうだ。フランス語の学習法についてエコール・プリモ、フランス総合研究所所長・一川周史先生に聞いてみた。

言葉だけでなく国にも興味を

語学を勉強するに当たっては、動機があったほうが挫折しにくいものです。動機はなんでも良いし、たとえなかったとしても、やっているうちに出てくることもあります。動機があれば、それを柱にやる気も粘りも出るし、興味の持てる題材では理解も容易だからです。

 また言葉の前に国がありますから、国に対する興味を持つ必要があります。フランスは、近代文化の中心的な役割を三、四百年間果たしてきました。ヨーロッパにおいてフランスが果たしてきた役割は長く、芸術や文学、今日でも食べ物やファッションなど興味の持てる分野はいっぱいあります。

 フランスを象徴するものとしてパリがあります。ただ、パリが象徴的すぎて、フランスがパリといっしょくたになっている人も多いのではないでしょうか。パリが世界の洗練された都市の一つであることは確かなことです。フランス語でパリはville lumiere′の都と言われています。

 国が背後にあって言葉があるのです。言葉をやりながら国に対しての興味も持ってほしいと思います。

 私は文化に興味を持っていろいろなことをやりました。現地の学校に行って、日本語を使わない環境に入るという体験もしたら良いと思います。ただ段階があって、基礎があやしいうちにフランスの世界に入ると将来伸びないことになりかねないので、半過去ぐらいは卒業してから、数ヶ月か半年間向こうに行くことをお勧めします。
「フランス語は発音がきれい」と語る一川先生

基礎工事が大事

 まずは発音を何がなんでも身に付けることが重要です。文法面においても、建造物と同じで、高い建物を立てられるような、きちっとした基礎工事にあたる文法を最初に身に付けないといけません。ここで間違ってしまったら傾いた家しか立ちません。

 冠詞を初めとする、日本語には訳出しえないような言語表現を、こだわりすぎない程度に無視しないことが大切です。それは、フランス人の心を読むことになります。また、徹底的に教科書を何度も繰り返して声を出して読むことが重要です。

 私の授業のやり方としては、まずテキストを丸暗記させています。つまらないという人もいますが、言葉というものは覚えたものしか使えません。丸暗記で終わっては駄目で、それを適所で言えるようにならなければなりません。それを土台に応用文を次々やるのです。少しレベルが上がれば質疑応答の形もとっています。

 授業に使う時間は限られています。だから授業中にテープを聞かせるのはもったいないことなので、テープはみんなに渡すけれども自分の家で聞きなさいと言っています。また、全員テープレコーダーを持ってこさせて授業を録音してもらっています。それを家で繰り返し聞いて、勉強してもらっています。そのために、生徒は授業の何十倍もやって大変だと言いますが、やるのであればそのくらいやらなくてはいけません。

音のきれいな言語

 フランス語は世界の言語の中でも音がきれいな言語です。なぜなら、フランス語は耳障りな子音が少ないからです。また日本語の「かんたん」(漢語から)など、多くの言語には固い音の「ん」という音がありますが、フランス語にはこの音がありません。全部鼻母音といって、鼻声のようにホワンホワンとしていて攻撃的な音にならないのです。せっかく発音がきれいな言葉なのだから、発音をしっかり学んで、きれいな発音をしてもらいたいと思います。

アメリカ人留学生に聞く

英語の学び方

より辞書の活用を

繰り返し聞くことがポイント

東京大学理学部研究生 ロジャー ・P・レヴィさん
 アメリカ合衆国アリゾナ州出身。アリゾナ大学で数学を専攻。三年前にシンガポールに留学し、その時に中国語を学んだ。その後、より中国語の学習を深めるために台湾へ行く。一九九七年十月に来日し、現在、本学理学部生物学科生態人類学研究室で研究生として学んでいる。


 ――ロジャーさんはアメリカ人なのに、中国語と日本語がとても上手ですが、それぞれどれくらい勉強したのですか?

 ロジャー 中国語は三年以上前から勉強しています。大学四年の時、シンガポールにいたのですが、その時に中国語と中国の文化を勉強しました。日本語もシンガポールで少し学び、その後、アメリカでも一年間勉強しました。日本に来たのもシンガポールで日本人の友達がたくさんできたからです。

 ――中国語と英語は文法がよく似ていると思うのですが…。

 ロジャー 簡単な文法は同じですが、まったく同じというわけではありません。簡単なことは中国語と英語の方が似ていますが、難しい表現は中国語と日本語の方が似ていると思います。

 ――英語を勉強する日本人に対してアドバイスをお願いします。

 ロジャー 言葉をたくさん覚えることはそれほど大切ではありません。最初はいろいろなものを読むよりも、限られたものを完全にマスターして、その中の文法とか表現を使いこなすことが重要なのではないかと思います。

 言語は聞く・話す・読む・書くという四つがありますが、日本人はそれらをばらばらに学んでいることに驚きました。長期的な目的で言えば、なるべく自分の言語に依頼しないでその言語だけで話したり、聞いたりすることができるようになったら良いと思います。

 また、その言語の辞書をなるべく早く使えるようになったほうがいいと思います。いつも英語が上手な日本人が英和辞典を使っているのを見て残念に思います。僕も国語辞典を使っていますが、最初は八〇%もわからなかったと思います。辞書のいいところは、ある単語を別のもっと簡単な単語で説明してくれるので、一つは言語の説明の仕方を身に付けることができるというところです。もう一つは、似ている言葉がたくさん出てくるので、語彙の穴を埋めることができるという点です。

 聞くこともとても重要です。繰り返して同じものを聞いて、その中に出てくるものを完全に使えるようにしたらいいと思います。そのためにもテキストとテープがセットになっているものが一番効果的だと思います。そして勉強したら出来るだけ使ってみることがポイントです。人間は使わないと忘れてしまうものですから。


中国語の学び方

アジア文化交流センター理事長 飯原正敏先生に聞く

これからはアジアの時代

自分の意思を表現できる力の習得を

 今、世界中から注目を集めているアジア。そのアジアの中でも中国語は最も多くの人に話されている言葉だ。今回は中国語の学習の仕方について、アジア文化交流センターの理事長・飯原正敏先生に語ってもらった。

将来性のある中国語

 二十一世紀はアジアの時代と言われていますが、このようなアジアの時代においては、中国大陸はもとより、香港、台湾、シンガポール等の中国語圏との交流がより一層重要になると思われます。中国語は中国本土だけではなく、アジアのほとんどの国々で、また世界中で活躍する華僑の方々にも使われています。将来のビジネスや長い人生を考えると、若いうちに英語と中国語ぐらいはマスターしたほうが良いと思います。例えば、アジアのほとんどの国では、母国語プラス英語か中国語が使われています。
中国国務院での会議に参加したときの飯原先生
 また、国際会議やシンポジウムでも意外とアジア圏の人は中国語で通じたり、華僑ルートで誰かの知り合いであったり、お互い意外な接点があったりもします。従って、実用的な中国語を覚えるということは、ビジネスにおいて、また人脈を作る上で大きく役立つと同時に、真の交流を実現するためのアプローチと言えるでしょう。

使える言葉を身につける

 大学で学ぶ第二外国語は集団学習ですから、理論的なものは理解していきます。ところが、言葉は実際に使えないと意味がありません。今勉強している人は、受験勉強ではないので、丸暗記していくのではなく、使える言葉を勉強してほしいものです。言葉を習得するうえで重要なことは、ただ語学として詰め込んで行くのではなく、言葉の背景にあるその国の文化や習慣、歴史的な内容も理解することにより、はじめて「生きた言葉」を身に付けることができると思います。自分の意志を相手に伝え、また相手の考えていることを理解する、それが真のコミュニケーションであり、言葉はそれらに必要な道具でしかないのです。そのためには、学習した言葉でコミュニケートするシミュレーションの環境が必要です。そこで、アジアの一体化を目指す「アジア文化交流センター」では、いかに短時間で、気軽に、しかも楽しく実用的な中国語をマスターするか、ということをテーマにもっとも効率的な認知習得法による中国語教育の研究にチャレンジしております。一クラス四名以内と少人数制で、しかも講師陣も三百五十人の中から選び抜かれた先生方ですから授業内容も効果的で非常に教育レベルが高いです。 

実践することの必要性 

 教室だけで学んでも、言葉の学習には限界があります。いくら言葉を覚えても使えないと意味がありません。当センターでは定期的に交流会を開催しています。そこでは自己紹介もパーティーでの会話もすべてが中国語で行われ、本場の環境を演出しているのでシミュレーションの場になっています。また人脈づくりや会員同士の交流の場にも大きく貢献しています。今まで自分が覚えた言葉が通じて自信をもったり、また逆に思うように話せなく悔しがる会員もいます。しかもパーティーには大使館の人や、普段お会いできない方々もいらっしゃるので、みんなもっと話をしたいとか、これを機会に知り合いになりたいと思うのですが、自分の語学力に限界を感じ、思うように話せなくて悔しい思いをし、またやる気が出て来るのです。

 つまり学校の授業を最大限に活かすためにも、できるだけ多くの中国の人と接する機会を持って、習った言葉を実践し、また実践できる場を自分から積極的に求めていくことが大切です。このような実践は、言葉を学んでいくときに脳裏にそのイメージが描かれ、学習する上で理解・納得しやすく、生きた言葉を習得することが出来ると思います。

まずはよく聞き模倣する

 語学の習得には近道はぜったいにありません。本来、言葉の習得は四つの段階を経て習得していくわけです。まず第一は、その言葉を出来るだけ多く聞くことです。聞く回数が多ければ多いほど模倣しやすくなります。第二が模倣です。テープとかテレビも良いのですが、一方通行の学習の弱点は正しく模倣できているかどうかを確認しづらいことにあります。理想的には、基礎が一番大切なので、ネイティブの人に少人数で教わって基礎を徹底的に勉強することが重要だと思います。つまり基礎だけはネイティブの先生から徹底して教わった方がいいと思います。正しい発音を身に付けるためには、日本語にない音もあるので音に慣れるまでに二〜三週間は最低かかります。また、喋るときの発声筋肉が順応するまでにも一カ月くらいはかかります。

第三、第四段階は、文字に慣れていき、そして書けるようになっていくというのが自然な言葉の習得です。しかし、実際の教育は大人は理解力があるので、効率性を考え文字と文法から入っていきます。ただこれは便宜上であって、限られた時間と制約された中で勉強することを考えるとそうならざるを得ないのです。でも本物の力を身に付けるためにはできるだけ聞く、話すという機会を多くもつことが重要です。

将来リーダーを目指す東大生に

 国際人として、自分の意志を必要に応じて表現できる力を持ってほしいと思います。ビジネスでも専門的な内容になれば通訳が立ち会いますが、簡単な会話は自分の言葉で自分の感情を表すことができるというレベルくらいまでは最低限持っていけば、ネットワークを作ったりコミュニケーションしたりする上でもうまくいくと思います。中国語ができるということはこれからの時代において大きな武器になると思います。二十一世紀に向けて世界に向けて、優秀なブレーンを送り出してほしいので、東大生にはぜひ生きた言葉を学んでほしいと思います。言葉の話し方はその人の人間性を表わします。例えば「謝謝」というたった一言が言えなかったら、感謝の言葉を知らない人間かということになったりもします。自分の人間性を売り込むということがこれからは非常に大事だと思います。それを日本だけでなくアジアや世界に向けて、思いっきり自分をアピールできるようになってほしいと思います。中国語圏に関心を持っている方、また世界で最も多くの方々に使われている中国語を何とか話したい方に、是非このチャンスを見逃さないよう、短期間でも大丈夫ですからお気軽に無料体験入学にお越しください。そして、当センターを利用して学生時代から素晴らしいネットワークをつくるよう努力して下さい。スタッフ一同喜んで協力させていただきます。