今、防災について(18)

原発震災では飲料水も汚染

 1986年のチェルノブイリ事故、1979年アメリカのスリーマイル島事故により原子力発電所の安全性に大きな疑問が投げかけられ、スウェーデンでは国民投票により原子力発電所が順次削減されることになっている。フランス・イギリス・ドイツ・アメリカ等においても原子力発電所の新設は殆ど凍結或いは見送られている。
 日本でも「兵庫県南部地震」が発生した1995年に敦賀市の原子力発電所増殖炉「もんじゅ」のナトリウム洩れ事故、1997年3月茨城県東海村の動力炉・核燃料開発事業団再処理工場のアスファルト固化施設での火災・爆発事故等が発生し、市民に大きな不安を与え、環境への放射能洩れが阻止できるか否かが大きな課題となっている。
 昨年10月に岩波書店雑誌「科学」において、神戸大学教授石橋克彦先生が「原発震災」という一文を寄稿され、東海地震と浜岡原発を例示した上で、破滅を避けるためにはどのような道が考えられるかを指摘された。一部有識者の間では、原発問題は真剣に検討されなければならないということが認識されているが、一般市民の間では、「核爆弾」の廃絶についての重要性は共有されてきているものの、原発問題についての重要性認識は必ずしも充分とはいえない状況にある。
 昨年地震防災対策強化地域判定会会長溝上恵氏が、私見「東海地震へのシナリオ」を発表され、「東海地震」の接近を改めて実感した方も少なくない。「東海地震」の想定震源域の真ん中に中部電力浜岡発電所があリ、もし「東海地震」により「浜岡原発」が被災し環境中に放射能が放出されれば、大気が比較的安定している時でも、神奈川県には数時間から12時間位の間に放射能の灰が降り注ぎ、それは順次東京都・埼玉・千葉・茨城県にと拡大してゆくことになる。
 宝永4年(1707)の富士山噴火の時火山灰は茨城県南部まで到達し、浜岡原発建設前の風船飛行実験でも茨城県までの風船飛行が確認されている。
 普通大地震が発生すれば、日頃備蓄している飲料水・食糧が救援活動が開始されるまでの生活を支えることになる。神奈川県の水源地「相模湖・津久井湖・宮が瀬ダム」や浄水場は天に向かって開放されており、放射能の防御はされていない。従って放射能を含んだ水は飲料水としては不適格となる。
 災害時の給水活動はかなりのダメージを受けて、飲料水の供給がないという事態も考えられる。地震直後には断水しない場合もあり、水道の蛇口を開きできるだけ多くの飲料水を確保すべきである。
 通常、大地震に備えて3日分の飲料水・食糧を備蓄するようにと云われているが、原発事故・原発震災を考慮すれば飲料水・食糧の汚染があり、備蓄はできるだけ多いほうが望ましい。
 通常、大地震が発生すれば、ボランティアの活動も展開されるが、原発震災が発生すれば現地への救援活動は無理となり、ボランティアや市民も避難を要することとなる可能性が高い。原発問題は市民の間でエネルギー問題を踏まえて充分論議されることが必要で、次世代に良好な環境が残されていかねばならない。
 <都市防災研究会 代表補佐 大間知倫(おおまち ひとし)S33年経卒 TEL045-844-2885>


イベント情報

★第2回国際代替医療シンポジウム

  『代替医療と現代医学  ―その「統合」をめざして―』
 医療先進国の欧米では、代替・補完医療と現代医学の組み合わせ、あるいは”統合”を考えるようになってきている。また実際、アメリカやイギリスでは代替医療も健康保険の対象となりつつある。第2回目の今回は、英米で代替・補完医療に行政レベルで取り組む国会議員をはじめ数々の識者を招聘し、医療先進国の実情と医療現場での実践について聞き、日本の医療のこれからの在り方について考える。

日時 10月4日(日)
  午前10時〜午後5時

会場 砂防会館ホール別館シェーンバッハ・サボー(地下鉄半蔵門線・有楽町線永田町駅4番出口より徒歩1分 銀座線・丸の内線赤坂見附駅より徒歩5分)

入場料 4,000円

講演予定者 
・バークリー・ビデール前米国下院議員 
・デービッド・トレディニック英国国会議員 
・マイケル・ディクソン博士(英国医師)
・ロージー・ダニエル博士(英国ブリストル・キャンサー・ヘルプセンター医療ディレクター)
・ダニエル・エスキナッチ博士(英国国立保健研究所代替医療研究室初代副室長)
・鳩山由紀夫衆議院議員 
・渥美和彦博士(東京大学名誉教授、鈴鹿医療技術大学学長)
・藤波襄二博士(東京医科大学名誉教授)
・帯津良一博士(東京大学名誉教授、日本ホリスティック医学協会会長)

主催及び連絡先 CAMUnet(代替医療利用者ネットワーク) 代替医療シンポジウム実行委員会
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-32-14 UKビル4F TEL&FAX 03-3232-8971


赤門クロスNo.85

 今回はカタカナではなく、アルファベットを入れて下さい。クロスができ上がったら、二重ワクのなかの文字をABCDEFの順に並べると、ある英単語が出てきます。それが今回の答えです。難しいかもしれませんが、がんばって解いてみてください。(出題A・Y)

タテのカギ

1.先日、日本とアメリカが共同研究することで合意した防衛システム。戦域ミサイル防衛
2.企業や個人が情報化環境を利用して、オフィス機能と作業の効率化と合理化を図ること。――機器、――ビジネス
3.自然破壊
4.閉域ネットワーク、企業内統合通信網。最近は会社でこのシステムを導入して、コンピューターで部署内や部署間のやり取りをしているところが多くなっています
5.最近は本学の学生間の連絡もほとんどこれで行われています。「――送っといたから見といて」
9.世界貿易機関
12.ドイツの大手自動車メーカー。
14.学校の授業をサボることを―― a classと言います
17.バーチャル・リアリティー

ヨコのカギ

1.アメリカに留学したい人は、まずこのテストを受けていい点数を取らなければなりません
6.アップル社のコンピューター「マッキントッシュ」の愛称。先日最新作i――が発売開始されました
7.目的、志
8.自殺点。―― goal
10.演劇などの一幕
11.――ジョー、――ジェーン
13.国際オリンピック委員会
15.泥。ぬかるみ
16.外線。最近はシミ・ソバカスなどを心配する女性たちの間で、――カット化粧品が流行っています
18.入場、加入、登録、入り口……


応募方法

 誰でも応募できます。答えを「東大新報 赤門クロスワード係」に送って下さい。住所・氏名・電話番号・大学(職業)・学部・学年(年齢)、紙面に対するご意見、ご感想をお書き添えください。

プレゼント

 正解者の中から抽選で10名の皆さんに「東大グッズ」をプレゼントします。当選者の発表は賞品の発送をもって替えさせていただきます。締め切りは10月12日(月)です。どんどんご応募下さい。


赤門ひろば投稿募集
 「赤門ひろば」はひろく学生、教官、OBの方々からの意見を交換する場です。
政治、経済、大学問題など様々な分野についての自由なご意見をお待ちしています。

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