本学医科研

がん遺伝子治療開始

 がんの遺伝子治療としては国内初となる腎細胞がんの男性患者(60)に対する遺伝子治療が5日、本学医科学研究所付属病院(東京都港区)で始まった。
 治療チームは谷憲三朗・本学医科学研究所助教授を総括責任とするグループ。手術は午前9時50分に始まり、筑波大の赤座英之教授(泌尿器)らが執刀した。この日は、がんに冒された右の腎臓を摘出する手術が行われ、午後0時45分に終了。さらに取り出した腎細胞がんの培養が開始された。予定では約1週間後に、がん細胞攻撃にかかわるGM-CSF遺伝子を組み込む。約4週間後には、米国の検査会社でこのがん細胞が増殖しないかなどの安全性検査を行った後、6回にわたって患者の体内に注射する。注射は早ければ11月末から実施される。
 がん遺伝子治療は欧米で2000例近い臨床治療が行われているが、明確な効果は確認されていない。腎臓がんでは米国で8人に対して実施され、合併症などで死亡した5人を除いた3人のうちの1人に効果が確認されている。
 国内の遺伝子治療は1995年8月に北海道大医学部付属病院で先天性免疫不全症の男児を対象に成功。がん治療に対しては今回が国内初の試み。


学生証がIDカードに

証明書自動発行機も利用可能

 今月から1年生と、工学部を除く各学部の3年生の学生証がIDカード化された。
 従来は紙製で三つに折りたたむ形式のものであったが、新しい学生証は1枚のプラスチック製でIDデータが記録された磁気テープ付きになっている。従来のものと比べて「携帯しやすくデザインも良い」と、学生の間でも評判だ。今月から教養学部教務課に設置された証明書自動発行機も利用可能となっており、新学生証を機械のカードリーダーに通し、タッチパネルから暗証番号を入力すれば、学割証、在学証明書、卒業見込証明書、修了見込証明書、卒業証明書、修了証明書の発行を受けることができる。


平成11年度進学振分け

第二段階内定者を発表

 平成11年度進学振分け第二段階の内定者発表が9日、本学駒場キャンパスで行われた。第一段階で内定していた学生と合わせ、進学先の内定した全学生の名前と内定先が、正門横の教務課掲示板に貼り出された。当日は自分の内定先を確認する学生が終日掲示板の前に集まっており、第二段階で内定先が決まった学生は安堵の胸をなでおろしていた。
 第二段階で進学先が内定した学生は、文一 13人、文二 42人、文三 154人、理一 459人、理二 176人の計844人。これで第一段階で内定した学生2729人と合わせて、3573人の学生の内定先が決まったことになる。
 第二段階でも進学先が決定しなかった学生は、定員に達していない学部の学科に再志望するか、留年することになる。