淡青手帳

第834号(2001年6月25日号)

 修学旅行で東京を訪れた高校生たちに、本郷キャンパスを案内する機会があった。初体験ゆえの戸惑いもあったが、これから大学を目指そうとする人たちに、自分たちの大学のことをアピールできるといううれしさがあった。

 振り返ってみれば、淡青子自身もやはり修学旅行で本郷キャンパスを訪れたことがある。その時はまったく興味本位だったが、根津駅で降り、弥生門から入った後は、まるで静かな杜を歩いているような、新鮮な印象を抱いたことを覚えている。

 さて、当日は三人で約百二十人を案内することになった。いざ案内しようとすると、キャンパスは広い。いたるところに様々なものがあり、それらの中から案内すべきものを選択せねばならなかった。現実には難しかったが、現役の学生がどのような魅力を感じているか、紹介したいという思いもあった。それは、今後受験生となる彼らにとって大切なことだと思ったからだ。

 初々しい高校生たちと、貴重な経験ができたことをこの場を借りて心から感謝したい。自らが学ぶ大学を振り返るよい機会になった。本学は数多くの伝えたいものを持つ大学であると思う。その内容を今後より多くの人に伝えていくためにも、開かれた東京大学であり続けることが重要だと感じた。

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