第838号(2001年8月25日号) |
先日誕生日を迎えた。気が付けばもう二十二。まだまだ子供だと思っていたが、時の経つのは早いものである。いつのまにか甲子園の"お兄さん"たちより年上になっていた。高校の頃、クラスに教育実習でやって来た大学生の"先生"がずいぶん大人に見えたものだ。
実際その年齢になってみると、「こんなものか」と思う。抱いていた「大人像」とは何だったのだろう。視野が広くなって教養が深まるとか、なんとなく落ち着きや品性が出てくるとか、そういうものだろうか。 人生八十年というが、これまででも多くの出会いや出来事があった。その中にはすでに亡くなった人もいるし、もう二度と会うこともないであろう人もいる。そう思うと、今こうして共にいる仲間たちともいずれは離ればなれになるんだな、とふと思ったりする。 これまでの出会いの中には、いい思い出もあれば、思い出したくないものもある。しかし出会いは偶然ではないとよく言われる。その出会いをモノにするのは「私自身」なのだ。 「今」という時を、そして一つ一つの出会いを大切にする積み重ねによって、一歩一歩大人に近づいている気がする。きっといくつになっても、「こんなものか」と思いながら「大人像」を追い求めているに違いない。
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