第841号(2001年10月5日号) |
米同時多発テロ、不意の攻撃で亡くなられた方のご冥福を祈る。それにしてもその後の米国の対応の仕方はとても興味深く思われた。武力にただ武力で応戦するやり方はさすがに抵抗を感じるとしても、米国民の求心力には何か惹かれるものがある。テレビや新聞で関連のニュースを見るとついつい心が動いてしまう。 ハイジャックされた飛行機で犯人と果敢に戦う人がいるかと思えば、株価の暴落を防ぐべく自ら犠牲を払う人たちがいたりする。主体性を尊重する教育によって培われた決断力なのか、新大陸に一から国と文化を立ち上げた自負心がそうさせているのか、はたまた世界唯一の超大国としての誇りと責任感なのか。 それに比べて日本は――と嘆くのは野暮ったいことかもしれないが、それにしても今日本はかなり危機的な状態にあると思う。よく言われる「物質的な豊かさ」はそれ自体が問題ではない。豊かさを維持発展させるためには、「私」が「責任」を持たなければならない。その意識が決定的に欠けているのである。 真の国際化社会とは、資本主義や共産主義を普遍化した社会ではない。地球上のどの国も、本当の平和を実現し得ていないからである。今こそ世界平和のために苦労をいとわず、誰よりも責任意識を持って行動できる地球人でありたい。
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