淡青手帳

第850号(2002年1月15日号)

 久しぶりに帰省した実家で新年を迎えた。実家は何の変化もなかったけれど、付近は古い建物が立て替えられたり、新しい店が開店するなどして、ずいぶん雰囲気が変わっていた。

 祖母の家では多くの親戚にも会った。祖母は少し背中が丸くなり、叔父、叔母は白髪が目立つようになり、小さいと思っていた従兄弟たちはいつのまにか自分の身長に追いつきそうな勢い。お年玉はもらうどころか、あげなければならない雰囲気だった。

 時の流れるのは早い、というセリフは学生の立場で言うことではないかも知れない。それでも、久しぶりに会う人、久しぶりに帰る故郷の変化などからそれを感じざるを得なかった。。

 自分自身の変化はどうか。身長が伸びることもなくなった今、目に見えるわかりやすい変化はひげが濃くなったぐらいだろうか。しかし目に見えない部分、心の面はどうだろう。こちらのほうが目に見える変化以上に重要なことに違いない。

 昔は、大きくなったね、そう言われることで自分の変化を簡単に確認することができた。今は、周りの目からは見えづらい部分、すなわち心を磨くことで自らの成長を図っていくべき時期である。もっともその成長はなかなか確認しづらいものではあるが…。帰りの新幹線の中で、新年を迎えた自分の心を引き締めなおした。

 

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