淡青手帳

第851号(2002年1月25日号)

  受験シーズンが始まった。センター試験は終わったが、二月に入ればさらに本格的になる。試験を終えた受験生たちの姿が、過去の自分の姿と重なって見えた。

 今となってはよき思い出だが、当時は本当に緊張した。試験の前日、緊張のあまり眠れなかったのを覚えている。

 それでも当日、積み重ねてきた努力を信じて臨んだ自分の姿は、いま思い出しても誇らしいほどだ。受験時代、試験に対して自分のあらん限りの精神を集中させ、東大合格という目的達成のために最高の努力を続けた。自分史の中でもひときわ輝いた時期だった。

 最近はテスト≠ノ対する緊張感が少なくなった。確かに人生を左右するような重要なテストではないのだが、その試験対策が、いつのまにかクラスに配布されるシケプリや、直前に友人から借りるノートに頼りきりになってしまっている。

 受験当時抱いていた東大に対する憧れ、入学後の計画、東大に対する期待は何だったのか。理想を求め、夢に燃えていた当時の自分が現在の姿を見たらどう感じるだろうか。そう思った時、ある物事に全神経を集中させ、それに全力で取り組む、そんなひたむきさを忘れかけていたことに気づいた。かつて抱いた理想、そしてその実現のために努力を重ねる姿勢はいつまでも忘れない自分でありたい。

 

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