淡青手帳

第856号(2002年4月5日号)

 入学式より一足早く、駒場キャンパスでは、手続きに訪れた新入生で賑わい、サークルの新勧活動もいよいよ本格化した。

 7年前、15人ほどの仲間と音楽系のサークルを立ち上げた。音楽好きの気の合う仲間で始めたが、新入生を誘うために、会の方針を巡って激しい議論が交わされた。時に衝突もした。けれど一緒にやっていきたいという想いがヴィジョンの違いを超えて自分たちを一つにしていた。勧誘は予想以上の成功を収め、40人を超える新入生が入った。そして4年間をこの音楽サークルに明け暮れた。

 そのまま音楽に明け暮れるつもりでいたが、ひょんなことから新聞づくりに携わるようになった。後輩たちが熱心に新勧活動に励んでいるのを目にした。立派に定着したサークルを見て喜びがこみ上げてきた。草創期はすべてが手探り状態だった。振り返れば苦労も多かったがそのぶん得るものも大きかった。

 予期せずサークル新設に携わり、今は予期せず新聞づくりに携わっているが節目はいずれも春だった。春は多くの出会いがある。劇的な変化をもたらす出会いがある。後から振り返って、分岐点だったと気づくような出会いもある。不安と、期待の入り混じった新入生たちに、多くの良き出会いがあるようにと願ってやまない。

 

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