淡青手帳

第876号(2002年12月5日号)

 12月1日は、「国連エイズデー」だった。国連によると、世界のエイズ感染者及び患者数は4000万人を超えているという。日本でも1ヵ月間の新たな感染者が過去最多を記録したらしい。

 日本の新しい感染者の割合のうち、4割は十代と二十代だ。若者の放縦な性行動が背景にあることは間違いない。今のエイズ教育の現状は、コンドームの使用を呼びかける広告を出したり、学校でもコンドーム使用を中心とした教育だ。

 エイズ感染のまん延に悩む米国はかつてコンドーム教育に力を入れていたが、今は結婚までの「純潔」を説く教育に重点を移した。高校生で性体験のある割合は、1991年の54%から昨年の調査では46%に減っている。当然、十代の妊娠も減っている。米国の純潔教育は確実に成果をあげている。

 しかし日本は、米国の流れとは反対にある。都内の高校3年生で性体験のあるのは、男子37.3%、女子45.6%で米国並みになっている。今のままの性教育では、むしろ若者に不特定多数の人との性体験を助長してしまうことにもなる。そうなると、さらにエイズ感染が拡大してとても危険だ。国連エイズデーを機に、純潔教育が今求められている最善のエイズ予防策であることを強く訴えたい。

876号記事一覧へ