第881号(2003年2月5日号) |
春の風物詩選抜高校野球=B今年も全国で34校が選抜された。夏の高校野球は各県大会を優勝した代表校で優勝が争われるが、春の選抜は地区大会の結果が選考の対象になるものの、必ずしも上位進出の高校が選抜されるとは限らないことが一つの特徴だ。 もう一つの特徴は、今年で3回目を迎えた「21世紀枠」と言われる制度である。これは実力のみでなく、さまざまなハンデを越えて頑張っている高校やユーモアのある練習などを取り入れている高校など対象とする、より幅の広い選考方式だ。 今回選抜されたのは、島根県の隠岐高校と新潟県の柏崎高校の両校だ。両校に共通しているのはハンデを乗り越えて頑張っているという点だ。隠岐高校においては離島という地理的なハンデを越えて実力をつけた。さらには、ボランティア活動を通じて地域に貢献し、島民も野球部をバックアップして、島全体で勝ち取った甲子園だ。 スポーツの世界ではどうしても実力主義になりがちだ。その方が客観的であり、「21世紀枠」は誰もが納得のいく選考にはなり得ないという問題もある。とはいえ、結果として表に出てくることはほとんどないがひたむきに頑張っている人にスポットライトを当てる機会がもっと増えてもいいだろう。
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