淡青手帳

第915号(2004年4月15日号)

 「春」といえば、美しい桜の花を思い浮かべる人も多いことだろう。毎年この季節になると、老若男女を問わず多くの人がお花見をしたりして桜を楽しむ。

 ふだん学生も社会人も様々な仕事や雑事に追われて、忙しい毎日を送っている。そんな日々の生活の中で、人間関係がうまくいかなかったり、思うように仕事や勉強が進まなかったり、皆何かしらの悩みや葛藤を抱えながら生きている。しかし青空のもとで桜を眺めていると、日常生活の苦しみから一時的に解放されて穏やかで平安な気持ちになれる気がする。

 桜も散り始め、多くは葉桜になってきた。華やかな桜が散ってしまうと少しさびしい気もするが、周囲を見渡してみると桜以外にもいろいろと美しい景色を発見することが出来る。最近では黄色い菜の花が一面に広がる景色が見られるし、もう少しすればたんぽぽも見られることだろう。

 忙しい生活に気をとられて、美しい自然に囲まれて生きているということを忘れてはいないだろうか。自然は四季の変化とともに形を変えながら、常に美しい景観を与えてくれている。疲れたときや苦しいときほど、周りを見渡す余裕がないものだが、そんな時こそちょっと周囲を見渡して、美しい自然と戯れてみるのもいいのではないだろうか。

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