903号(2003年11月15日号)

1面主要記事

■「複眼的知」の創出めざす

  4大学長集いシンポ開催
  東アジア4大学フォーラム

 東アジア4大学フォーラム(BESETOHA)主催による『もう一つ眼で見る東アジ ア』シンポジウムが11月7日から8日にかけて、本学駒場キャンパス内の学際交流棟と数理科学研究棟で開催された。

 東アジア四大学フォーラムは、北京大学、ソウル大学校、東京大学、ベトナム 国家大学ハノイ校の四大学から構成されている。このフォーラムは1999年秋に駒場で始まり、2000年の北京会議、2001年にハノイ会議、2002年にソウル会議の順に行われ、研究と教育の両面にわたり、東アジアの複雑な現実に関する対話と討議がなされてきた。
 今回開催された『もう一つの眼で見る東アジア』シンポジウムは、東アジアの伝統に自閉することなく、複数の他の視点を取り入れていくことを目的とし、ヨーロッパ研究、アメリカ研究の視点を共有し、アジア研究の視点と交差させることで、複眼的な知の空間を作り出すことを目指している。
 7日は最初に、東京大学、北京大学、ベトナム国家大学ハノイ校、ソウル大学校4大学の学長による基調講演と学長懇談会がなされた。基調講演で本学の佐々木毅総長は、今回の交流が行われることへの喜びと、関係者への感謝を示し、今回の会合を通してこれまで以上に具体的な意見交換と交流の場が設定されることを切望していると述べた。
 また、来年に設立される予定の法科大学院、公共政策大学院、文部科学省の「21世紀COEプログラム」を紹介し、これらが4大学のこれからの交流の基点になり得ると指摘した。
 その後、教授らが5つのグループに分かれ研究発表をした。8日にはパネルディスカッション、総括討論などが行われた。


■研究の評判を聴取

  専門職員制度を導入
  先端科学技術研究センター

 本学先端科学技術研究センターは、研究成果などの“評判”を学外の関係者から聴取する専門職員制度を、来年春から導入する方針を決定した。
 この制度は、論文や特許の数といった量的な指標のみでは評価できない、研究の「質」に対する評価を重視することが狙いで、研究者の業績を綿密に評価し、給与に反映させることを目的としている。
 来春からの法人化によって、優秀な研究者には高い報酬が与えられることが可能になるが、画期的な研究などの場合、論文の発表数などの客観的な指標のみでは正当な評価は難しく、“評判”調査は、こうした指標をうめ合わせる役割で、評価対象者と同分野の研究者などに事情聴取をする。


■田近助教授に山崎賞

  山崎賞奨学会発表

 富山市の山崎賞奨学会は5日、本学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻の田近英一助教授に山崎賞を贈ることを決定した。
 山崎賞は、農業開発技術者協会代表の足立原貫氏が、哲学者の故山崎正一本学名誉教授から退職金を託され創設したもので、今年で29回目。気鋭の若手研究者に贈られる。
 田近氏は新しい学問分野「アストロバイオロジー」に取り組み、人類が生存可能になった地球の環境メカニズムを解明した。


■第4回公開講演会を開催

  理学系研究科・理学部

 本学大学院理学系研究科・理学部は6日、法文2号館31番教室で第4回公開講演会を開催した。副題は「基礎科学の面白さをどう伝えるか?」で、講演に加え本講演会初の試みであるパネルディスカッションも行われた。
 今回の講演会は、基礎科学を取り巻く厳しい状況のなかで、基礎科学の面白さをどのように社会に伝えていけばよいかを議論するという趣旨で開催された。まず、理学系研究科長岡村定矩教授と評論家立花隆氏の講演が行われ、次に朝日新聞の科学ジャーナリスト尾関章氏、前理学系研究科長佐藤勝彦教授、生物科学専攻福田裕穂教授、情報理工学系研究科平木敬教授を加え、地球惑星科学専攻浦辺徹郎教授の司会でパネルディスカッションが行われた。全体の司会は理学系研究科の大学院生が務めた。
 岡村定矩教授は「東大理学部は基礎科学の面白さをどう伝えてきたか?」と題して講演を行った。はじめに、基礎科学の醍醐味は純粋な真理探究であるが、それを志向する若者が減少してきている社会状況を、各種統計データを交え紹介した。次に、理学系研究科が2年ほど前から積極的に行うようになってきた広報活動の様子を具体的に示したうえで、「本講演会を通じて基礎科学の面白さを伝える側の理学系研究科とそれを受け止める側の社会との距離をはかり、これからの広報活動への力にしたい」と述べ、本企画への期待を語った。

(3面に続く)


■Newsホットライン

  IBM科学賞に加藤教授ら

 「日本IBM科学賞」に本学工学系研究科の加藤隆史教授が選ばれた。同賞は、国内の大学・公的研究機関に所属する、物理・化学などの若手研究者が対象。加藤教授は、低分子の集合で高分子機能を発現させたことが今回の評価対象となった。



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