914号(2004年4月5日号)

1面主要記事

■3416人の門出祝して

  「世界の諸課題に立ち向かえ」
  平成15年度卒業式

 平成15年度の卒業式が26日、本郷キャンパスの安田講堂で行われた。式は、文系・教養学部が9時から、理系学部が11時から催された。本学は、10学部の卒業生3416人の新たな門出を祝った。

 佐々木毅総長は告辞で、「どこまでが自らの努力の成果であり、どれだけ他の人々の助けを得て今日の自分があるのか、冷静にバランスシートを見極めてほしい」と述べ、大学生活の四年間の整理と総括を卒業生に課した。続いて、「グローバル化はもともと安定とは無縁だったが、いまや安心も安全も不安になってきた」と述べ、特定の組織に人生全体を預けて生活の安定を得てきた時代が終わったことを指摘した。その上で、各個人が自らの経験と努力の蓄積を大事にして生きていこうとすれば、グローバル化そのものについて思考し、方向を探る努力をしなければならないという認識を示した。さらに、「これこそ皆さんが単に自らに配慮して生きるだけではなく、公共の事柄に配慮しつつ生きていかざるを得ないという事実」であると述べ、「前途に横たわる世界規模の諸課題に、本学で培った体験と知的刺激を武器として、堂々と立ち向かっていただきたい」と卒業生たちを激励した。
 佐々木総長や各学部長ら約30人は、ガウンなどの式服を身にまとい、正門から前夜の雨で洗われた石畳の道を行進して安田講堂へ入場した。式典は、音楽部管弦楽団による「管弦楽組曲第1番」の奏楽で始まった。続いて小宮山宏副学長が平成15年度の学事報告をした後、各学部から一人ずつ卒業生代表が壇上に上がり、各学部長臨席のもと佐々木総長から学位記が授与された。佐々木総長の告辞に続き、文系・教養学部では森山眞弓衆議院議員が、理系学部では許智宏北京大学学長が来賓挨拶をした(来賓挨拶要旨は4面に掲載)。式典は、「蛍の光」の合唱で幕を閉じた。
 式典には、現在各界で活躍している50年前、40年前、30年前、20年前、10年前の本学各学部卒業生が参列したほか、研究・実験棟「武田先端知ビル」の建設基金として40億円を寄附した(有)タケダ理研代表取締役の武田郁夫氏と昭和30年設立から800人以上の本学学生に対し奨学金を寄付してきた(財)新日本奨学会理事長の中原伸之氏が列席した。
 式典終了後、会場となった安田講堂は卒業生とその家族のために開放された。会場で歓談する卒業生や卒業式を記念して写真を撮る家族の姿が見られたほか、今年から導入されたガウンに身を包んだ卒業生たちが帽子を空に投げる一幕も見られた。朝には曇っていた空にも、卒業生たちが安田講堂から出る頃には、青空がのぞいていた。


■「知識」の意味を問え

  佐々木毅総長が告示
  平成15年度修了式

 25五日、本郷キャンパスの安田講堂で平成15年度の修了式が行われた。式は、修士課程が9時から、博士課程が11時から催された。
 佐々木毅総長は告辞で、「皆さんは、社会で生活する存在」と述べ、修士課程で培った専門的知識の意味について問いかけることの必要性を訴えた。また、博士課程修了生に対しては、「自らのうちに『象牙の塔』をもつことなく博士号を取得できるということは信じられないが、大学以外の組織では『象牙の塔』が専らマイナスの意味に用いられる」と述べ、専門的先端的知識の探求と同時に、自らの知的活動を社会に説明する責任をもってほしいと激励した。
 佐々木総長らは、ガウンなどの式服を着て正門から曇り空の下をパレードして入場した。式典は、音楽部管弦楽団の奏楽で始まった。修士課程では桐野高明副学長が、博士課程では渡辺浩副学長が学事報告を行った後、各研究科修了生の代表一人ずつに佐々木総長から学位記が授与された。佐々木総長の告辞に続き、修士課程では森亘元総長が、博士課程では有馬朗人元総長が来賓挨拶をした。式は、「蛍の光」の奏楽で幕を閉じた。
 今年の終了生数は、13研究科1学府の修士課程2712人、博士課程1107人だった。


■330人が難関突破

  本人以上に喜ぶ父兄も
  平成16年度後期入試合格発表

 平成16年度入学試験後期日程の合格発表が23日、本郷キャンパスの総合図書館横で行われた。合格者数は330人で、今年度入試の全合格者3122人が決定した。
 12時40分頃、会場を仕切っていたロープが解かれると、曇り空の下で発表を待っていた受験生やその家族らが掲示板の前に一斉に向かった。掲示板に自分の受験番号を見つけ歓喜の声をあげたり、感激のあまり泣いたりする受験生が見受けられた。受験生に同伴した家族が溢れる喜びを抑えきれず、受験生以上に取り乱す姿も見られた。
 合格発表開始予定時刻の午後1時になると、会場を訪れる受験生も増え、在校生が合格者を胴上げしたり、記念撮影をしたりする姿も多く見られるようになった。
 同日、外国学校卒業学生特別選考結果も発表され、理科三類以外の科類で計34人が合格した。
 合格者の科類別成績は表の通り。文科各類と理科U類で最低点・平均点が下がった。



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