917号(2004年5月5日号)

1面主要記事

■869人8団体が受章

  本学関係者3人に紫綬褒章
  春の褒章

 政府は4月29日付けで「春の褒章」受章者869人、8団体を発令した。本学関係では、紫綬褒章に樽茶清悟教授、和達三樹教授、中村祐輔教授の3人が受章した。

 樽茶清悟教授は物性物理学、半導体物理学を研究しており、半導体メゾスコピック構造の研究において、極微細構造の作製、及び低次元電子の弾道伝導や量子輸送の観測などで優れた業績をあげた。そして、半導体極微細化に関する科学技術の開拓者として理想的な一次元性、零次元性をもつ量子細線、量子ドットを世界に先駆けて実現し、電子相関で支配される伝導現象の観測に初めて成功した。
 和達三樹教授は理学部物理学科教授。非線形現象でありながら、「孤立波」の足し合わせで、あたかも線形現象のように記述できる波、ソリトンについて研究し、日本IBM科学賞を受賞するなど数々の業績を上げた。
 中村祐輔教授は、遺伝医学を専門にしている。染色体地図がない時代に、遺伝子を探すのに必要な標識を見つけ、遺伝子ハンティングの最先端を切り開いた。また現在は、国のオーダーメード医療プロジェクトの責任者を務め、わずかな遺伝情報の違いを利用し、薬の副作用を回避する計画を進めている。
 褒章の内訳は紅綬褒章が3人、緑綬褒章が26人、8団体、黄綬褒章が281人、紫綬褒章が34人、藍綬褒章が525人だった。
 また、2004年春の叙勲と賜杯の受章者4017人が同日、発表された。受章者の内訳は大綬章が12人、重光章が44人、中綬章が324人、小綬章が1025人、双光章が1598人、単光章が1013人。賜杯は銀杯が1人だった。
 本学関係では、本学卒の柿沢弘治元外相、千種秀夫元最高裁判事、平林鴻三元郵政相、平松守彦前大分県知事、室伏稔伊藤忠商事会長が、旭日大綬章を受けた。また、瑞宝重光章に久保正彰元文学部長、瑞宝中綬章に梶浦欣二郎元地震研究所長、瑞宝双光章に伊佐卓男元物性研究所事務部長、瑞宝単光章に橋本洋子元医学部付属病院看護部看護師長が選ばれた。


■研究の苦労や楽しさ語る

  第5回理学部公開講座「理学研究の現場から」
  大学院理学系研究科

 本学大学院理学系研究科主催の第5回理学部公開講演会「理学研究の現場から」が4月23日、数理科学研究科大講堂で開催された。講演会は2部構成で行われ、会場には多くの学生や研究者が集った。
 第1部の講演会は、塩谷光彦教授(理学部化学科)が「分子レベルのものづくり―化学者の新しい挑戦―」と題して、横山茂之教授(理学部生物化学科)が「タンパク質と核酸の働き」と題して講演した。
 講演の中で塩谷氏は、化学者の大きな夢は分子を思い通りにデザインすることであると述べた。そして、「時間軸と環境軸を設定すると、分子は活き活きと動きだして、思いがけない変化もする」と分子設計の面白さを説明した。続いて横山氏は、タンパク質の働きを研究することで、生命現象への理解が深まり、「病気の原因となっているタンパク質の働きを弱めたり強めたりする薬の開発にも役立つことが期待されている」と理学研究が実社会に貢献していることを説明した。
 第2部は、「理学研究って何?」と題して、パネルディスカッションが行われた。観測、フィールド調査、実験、理論の4分野で研究している4人の研究者がそれぞれの研究を紹介し、研究の苦労や楽しさを語り合った。
 講演会終了後はそれぞれ名刺を交換する場面も見受けられた。


■慶大打線抑えきれず

  本学5連敗喫す
  東京六大学野球

 東京六大学野球春季リーグ戦、第四週の試合が1日より神宮球場で行われ、本学は慶大と対戦した。
 一回戦は本学先発の松家が慶大池辺の2打席連続の本塁打を含む10安打を浴び7点を献上。打線も慶大先発の合田に六回まで無安打に抑えられた。七回に3安打で4試合ぶりの得点をあげたが、反撃もそこまでだった。
 二回戦は、慶大早川の本塁打や代打小西の本塁打などで小刻みに追加点を奪われた。打線も初先発の1年生加藤に六回まで2点に抑えられるなど、慶大の3投手の継投にかわされ、5連敗を喫した。

◇ 一回戦(5月1日)
慶大
011302001|8
000000100|1
東大

 合田(2勝)
 松家(3敗)

◇ 二回戦(5月2日)
東大
000011000|2
10120111×|7
慶大

 加藤(1勝)
 高橋(1敗)


■原子核形状に正三角形も

  理学系研究科 大塚教授ら

 大塚孝治教授(本学大学院理学系研究科物理学専攻)らは4月28日、従来、球形や楕円体と考えられてきた原子核に、平たい正三角形の状態のものがあることを確認したと発表した。
 原子核は陽子と中性子からできているが、原子核の中では、それぞれが二つ集まってできるアルファ粒子を単位として、ぶどうの房のような姿になるケースもあることが知られていた。ただし、核をつなぎ留める力が強いため、通常、房はつぶれ、全体として球に近い形をしている。
 大塚教授らは、通常の炭素原子よりも中性子が二個多い放射性同位体「炭素14」の原子核を考えたとき、粒子がお互いにどのような力を及ぼすかを、実験データと高性能コンピューターを駆使して計算。アルファ粒子三個が正三角形の頂点を占める構造になりうることがわかった。


■賠償金6600万円の支払い命令

  東京地裁

 本学医学部附属病院で脳腫瘍の摘出手術後、鎮静剤投与ミスで、意識不明の状態にある大阪市の揚鴻飛さん(85)と家族が、本学に総額約1億300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が4月27日、東京地裁で行われた。菅野博之裁判長は附属病院に約6600万円の支払いを命じた。
 判決は、研修医が人工呼吸の技量もなく、鎮静剤投与で呼吸停止の可能性があるにも関わらず、他の医師を呼ぶなどの備えをしないで、一人で投与した過失があることと、対応する医師が研修医一人しかいなかったとする体制の不備を指摘した。



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