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12月1日、韓国の釜山で、来年日韓共催で行われるW杯の予選リーグ組み合わせ抽選会が行われ、日本はH組で、ロシア、ベルギー、チュニジアと戦うことになった。今回はそこで対戦する各国を紹介する。 ロシアは過去1度、W杯に出場し、成績は3戦1勝2敗。ソ連時代は通算7回出場し、31試合、15勝6敗10分けという成績を残している。66年イングランド大会の4位が最高成績。ショートパスを多用するサッカーが特徴だが、一番の持ち味は堅い守備。W杯予選では、ユーゴスラビアなどの強豪がそろった欧州の激戦区を1位で通過し、失点は10試合でわずか5であった。注目選手はスペインリーグで活躍するベテランMFのモストボイとカルピン。また、ロシアリーグのMVPに選出されたこともあり、高い戦術眼を生かしたパスが持ち味の攻撃的MFのチトフも日本にとっては怖い存在。 出場回数10回、通算32試合戦い、10勝16敗6分け。安定した戦いを見せ、「赤い悪魔」という異名を持つW杯の常連国。伝統的な堅い守備で、今回6大会連続出場を決めた。DF陣に長身選手を揃えており、ゴール前でのセットプレーは脅威的だ。GKデフリーヘルを中心とした守りも堅く、今回の予選ではプレーオフを含む10試合で6失点と安定した戦いを見せた。攻撃は、堅守からの速攻が得意のパターン。中心選手は、W杯4度目の出場となるMFビルモッツ。得点力もあり、予選ではチーム最多の8得点を決めている。またエースのムペンザと巨漢ペータースのツートップは迫力十分で、予選では1試合平均4点近いスコアをマークしている。この攻撃力には日本も十分注意しなければならないはず。 出場回数2回、通算6試合を戦い1勝3敗2分け。初出場の78年大会でメキシコに勝利し、アフリカ勢初の勝利をもたらしたことで有名だが、20年ぶりの出場となった前回フランス大会は1次リーグで敗退している。現在、フランス、カメルーンなどの強豪をW杯で率いた名将ミシェル氏が監督。代表メンバーは主に国内リーグ所属選手で構成されているが、FWのセリミやトルコのベシクタシュでエースとして活躍する司令塔のバヤは注目選手である。日本とは96年に対戦しているが、この時は日本が1−0で勝利を収めている。 開催国はその地の利を生かせばかなり優位とされている。実際、70年、86年大会のメキシコ、94年大会の米国は、過去のW杯でさほどの戦績がなかったが、地元の応援を受けて、決勝リーグに進出するなどの成功を収めた例がいくつもある。日本も予選リーグで上位2位以内に入って決勝トーナメントに進む可能性は十分にある。
(つづく)
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848号(12月15日号) | ||