882号(2003年2月25日号)

1面主要記事

■全科類進学枠を設置

科類再編案は見送る

 本学は2006年度から、すべての後期課程(3、4年生)の学部・学科に、前期課程(1、2年生)のどの科類からでも進学可能な「全科類進学枠」を設置する方針を固めた。これは2006年度から行われる前期課程教育と進学振り分け制度の改革の一環で、3月末までに詳細が発表される。

 今回導入される新制度では、後期課程の学部・学科定員の10〜30%が「全科類進学枠」となる。現行の制度でも理系から法学部のような傍系進学は認められているが、傍系進学枠は主科類からの進学者を排除しており、この制度をそのまま拡大すれば主科類からの進学定員が大幅に減少することが懸念される。そのため新制度では、主科類からでも「全科類進学枠」による進学を可能にし、この枠の中では科類を問わない競争が起こることとなる。
 ただ、「全科類進学枠」の利用のためには、志望する学部が定める必修科目の履修が必要であり、この枠を利用できる学生は強い動機と学力を持った一部の学生に限られるとみられている。
 一方、「文理類」の設置や理科V類の廃止などの科類再編案については、「カリキュラムの設定が困難」などの理由で見送られ、現行の科類制度を生かして進学時の選択肢を広げる制度を導入することとなった。そのため前期課程では科類ごとのカリキュラムに今まで以上の特色を出すほか、入試科目・配点などを科類ごとに設定するなどの案も検討されている。


■第99回公開講座

 テーマは「アジアを向く東京大学」

 財団法人東京大学綜合研究会主催の第99回(平成15年・春季)公開講座が4月5日から5月17日にかけて行われる。この公開講座はある共通のテーマに対し、文理を問わず各分野の研究者が自らの専門の観点からリレー形式で講義を行うもので、春と秋の年に2回開催されている。今回のテーマは「アジアを向く東京大学」で、詳細は以下の通り。
▽講義日程・内容 表の通り
▽聴講資格 成人一般・大学生・高校生
▽定員 800人
▽会場 安田講堂
▽聴講料 全講義…4000円、選択(1日)…1000円(高校生は半額)
▽申込方法
 以下の内容を記入した往復はがきで、〒113-8654 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学事務局気付 財団法人東京大学綜合研究会まで。
◎往信はがき裏面に、氏名(フリガナ)・性別・年齢・郵便番号・住所・電話番号・職業・聴講希望日・前回までの公開講座受講の有無
◎返信はがきの表面に申込者の郵便番号・住所・氏名
▽申込受付開始 3月3日より


■IDカードに新機能

 図書館入館証の機能も

 本学は、昨年4月から一部で導入されていた共通IDカード「ユーティリティカード」の機能を拡充した新規格のカードの交付を先月下旬より開始した。今回交付対象となるのは全学部学生・大学院生と本部庁舎に勤務する職員で、来年には全教職員への交付も目指す。
 今回の機能拡充により、総合図書館と教養学部図書館の入館証の代わりにカードを利用できるようになったほか、健康診断のデータもカードに保存されるようになった。またカードの情報を読み取る端子をカード内に埋没させ、情報破損が起こりにくいように改良した。遺失物として届けられた際の所有者確認の便宜を図り、カードの表面にはID番号の他に所有者の名前も記載されるようになる。
 今後は、図書館業務システムの大幅な書き換えが必要なため今回見送られた図書貸し出しサービスなどへの利用や、履修届・講義への出欠確認などの教務系業務、生協のCUTEカードとの統合などを目指す。


■8523人が通過
 前期入試第1段階選抜
 平成15年度本学入学試験(前期日程)の第一段階選抜の結果が12日に発表された。その結果、全志願者9401人のうち、第一段階選抜に合格したのは8523人で、878人が「足切り」となった。
 合格者の科類別成績は、最高点としては文科T類の784点が最も高かった。平均点は、昨年に比べ志願者数を大幅に増やした文科V類と理科T類を除いては5点以上低くなり、特に大幅な志願者減となった理科V類では20点ほど低くなった。最低点も昨年第一段階選抜が行われなかった文科V類を除けば、理科V類が499点と昨年より150点以上低くなったのが目立った。
 第一段階選抜合格者は、25日から行われる二次試験に臨むこととなる。



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