試験は例年通り文科各類が駒場、理科各類は本郷で行われ、初日は国語と数学、2日目に地理歴史(文科各類)または理科(理科各類)と外国語、3日目は理科三類の受験者のみに面接が行われた。 試験問題も基本的には例年通りの形式を踏襲しながらも、国語では詩を引用した文章の出題や、数学で円周率が3・05より大きいことの証明、英語では二つのグラフから読み取れる内容を英語で説明させるなどの目新しい出題もあった。昨年出題されなかった英語第一問の要約問題が復活し、昨年は大問3問だった日本史も一昨年前までと同様の4問に戻った。 理科三類の面接試験は受験生一人に対し試験官三人の形式で行われ、一人あたり20分程度行われた。試験官の質問に対し2〜3分程度で答えさせるのも例年通りで、今年は生物多様性をいかにして保護するかや、同時に二人の患者が現れた時にどう対処すればよいかなどが問われた。 英語の試験時間中に、理学部と農学部の試験場で、試験と無関係な業務放送が流れるトラブルがあった。そのためこれらの試験場では、放送が流れた時間(理学部一分、農学部二分)だけ試験時間を延長する措置がとられた。 今年の志願者数は昨年より26人多い9401人で、そのうち第一段階選抜を通過したのは8523人、当日受験したのは8465人で、欠席率は0.7%だった。 前期日程の合格者は3月10日に発表され、同時に合格者の科類別最高・最低・平均点も公表される。また同時に後期日程の第一段階選抜の結果も発表される。
■新型チップを開発 小型化で高速操作可能に 生産技術研究所藤井輝夫助教授ら 生産技術研究所の藤井輝夫助教授らの研究グループは、ミノルタと共同で、マイクロチップ上に送液用のマイクロポンプを内蔵した「プラグ&プレイ型マイクロチップ」を開発したと発表した。 藤井助教授らは、半導体微細加工技術を応用して制作したマイクロチップを用いて反応分析操作を行う「マイクロ生化学システム」の研究を行っている。これは新しいバイオ技術として期待されており、世界各国で盛んに研究が行われている。しかし、現在マイクロチップ上で行われる実験では、顕微鏡と送液系、光源などを含めた大掛かりなセットが必要であり、マイクロチップの「小型化」などのメリットが十分に生かしきれていなかった。 今回藤井助教授らが開発したプラグ&プレイ型マイクロチップは、マイクロ流路構造を持つシリコン樹脂製チップとマイクロポンプを配置したガラス基板を貼り合せた構造であり、必要な試薬を滴下し外部から制御信号を送るだけでチップ上の流体を操作しながら反応分析を行うことができる。また、従来の方法では体積の大きい部品を介していたため高速操作が不可能だったが、プラグ&プレイ型マイクロチップでは高速な溶液の切り替えを利用した操作も可能である。 このプラグ&プレイ型マイクロチップを基本コンポーネントとする小型分析装置を実現すれば、環境モニタリングや極限環境探査などへの応用が期待できる。 ■「英語」受講を義務付け 理学系研究科 化学専攻 理学系研究科は今春より、化学専攻博士課程の学生を対象に、週2回の英語教育を始める。 学術論文や学会などでは英語が共通語であるが、日本の研究者には英語力が弱い人も多い。そのため学会でのプレゼンテーションや英語論文が弱く、すばらしい業績を挙げたとしても国際競争力に欠ける場合が多かった。今回の取り組みは世界に通用する人材作りのための語学力育成であり、教育よりも研究が重視される傾向にある大学院では珍しいものである。 今回の英語教育の対象は、博士課程1年生の約30人。能力に応じて三クラスに分け、三人の講師が週2回、論文の書き方や討論できるだけの会話力を鍛える教育を行う。講義はすべて英語で行い、毎回宿題を出すなどの徹底ぶりだ。研究に支障が出ないよう授業は朝行い、単位が取れなくても落第することはないが、全員に受講を義務付ける。 化学専攻は、文部科学省の「21世紀COEプログラム」に選ばれており、今回の英語教育はその予算を使用する。 ■教養学部長に浅島誠教授 総合文化研究科長・教養学部長が2月16日付けで、古田元夫教授から浅島誠教授に代わった。任期は2年。浅島教授は72年本学理学系研究科博士課程修了、93年から本学教養学部教授。細胞分化を促す「アクチビン」を世界で初めて同定し、未分化細胞から14種類の臓器を作り出すことに成功した。2001年には紫綬褒章を受章している。
生産技術研究所の藤井輝夫助教授らの研究グループは、ミノルタと共同で、マイクロチップ上に送液用のマイクロポンプを内蔵した「プラグ&プレイ型マイクロチップ」を開発したと発表した。 藤井助教授らは、半導体微細加工技術を応用して制作したマイクロチップを用いて反応分析操作を行う「マイクロ生化学システム」の研究を行っている。これは新しいバイオ技術として期待されており、世界各国で盛んに研究が行われている。しかし、現在マイクロチップ上で行われる実験では、顕微鏡と送液系、光源などを含めた大掛かりなセットが必要であり、マイクロチップの「小型化」などのメリットが十分に生かしきれていなかった。 今回藤井助教授らが開発したプラグ&プレイ型マイクロチップは、マイクロ流路構造を持つシリコン樹脂製チップとマイクロポンプを配置したガラス基板を貼り合せた構造であり、必要な試薬を滴下し外部から制御信号を送るだけでチップ上の流体を操作しながら反応分析を行うことができる。また、従来の方法では体積の大きい部品を介していたため高速操作が不可能だったが、プラグ&プレイ型マイクロチップでは高速な溶液の切り替えを利用した操作も可能である。 このプラグ&プレイ型マイクロチップを基本コンポーネントとする小型分析装置を実現すれば、環境モニタリングや極限環境探査などへの応用が期待できる。
■「英語」受講を義務付け 理学系研究科 化学専攻 理学系研究科は今春より、化学専攻博士課程の学生を対象に、週2回の英語教育を始める。 学術論文や学会などでは英語が共通語であるが、日本の研究者には英語力が弱い人も多い。そのため学会でのプレゼンテーションや英語論文が弱く、すばらしい業績を挙げたとしても国際競争力に欠ける場合が多かった。今回の取り組みは世界に通用する人材作りのための語学力育成であり、教育よりも研究が重視される傾向にある大学院では珍しいものである。 今回の英語教育の対象は、博士課程1年生の約30人。能力に応じて三クラスに分け、三人の講師が週2回、論文の書き方や討論できるだけの会話力を鍛える教育を行う。講義はすべて英語で行い、毎回宿題を出すなどの徹底ぶりだ。研究に支障が出ないよう授業は朝行い、単位が取れなくても落第することはないが、全員に受講を義務付ける。 化学専攻は、文部科学省の「21世紀COEプログラム」に選ばれており、今回の英語教育はその予算を使用する。 ■教養学部長に浅島誠教授 総合文化研究科長・教養学部長が2月16日付けで、古田元夫教授から浅島誠教授に代わった。任期は2年。浅島教授は72年本学理学系研究科博士課程修了、93年から本学教養学部教授。細胞分化を促す「アクチビン」を世界で初めて同定し、未分化細胞から14種類の臓器を作り出すことに成功した。2001年には紫綬褒章を受章している。
理学系研究科は今春より、化学専攻博士課程の学生を対象に、週2回の英語教育を始める。 学術論文や学会などでは英語が共通語であるが、日本の研究者には英語力が弱い人も多い。そのため学会でのプレゼンテーションや英語論文が弱く、すばらしい業績を挙げたとしても国際競争力に欠ける場合が多かった。今回の取り組みは世界に通用する人材作りのための語学力育成であり、教育よりも研究が重視される傾向にある大学院では珍しいものである。 今回の英語教育の対象は、博士課程1年生の約30人。能力に応じて三クラスに分け、三人の講師が週2回、論文の書き方や討論できるだけの会話力を鍛える教育を行う。講義はすべて英語で行い、毎回宿題を出すなどの徹底ぶりだ。研究に支障が出ないよう授業は朝行い、単位が取れなくても落第することはないが、全員に受講を義務付ける。 化学専攻は、文部科学省の「21世紀COEプログラム」に選ばれており、今回の英語教育はその予算を使用する。
■教養学部長に浅島誠教授 総合文化研究科長・教養学部長が2月16日付けで、古田元夫教授から浅島誠教授に代わった。任期は2年。浅島教授は72年本学理学系研究科博士課程修了、93年から本学教養学部教授。細胞分化を促す「アクチビン」を世界で初めて同定し、未分化細胞から14種類の臓器を作り出すことに成功した。2001年には紫綬褒章を受章している。
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2001 冬のリゾート案内
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■国連・NGO特集
前国連広報担当事務次長 法眼 健作 氏