895号(2003年8月5日号)

1面主要記事

■総長を事実上信任

  法人化向け所信表明
  決議文全会一致で採択 評議会

 本学評議会は、7月24日に開かれた臨時評議会で、15日に佐々木毅総長が発表した法人化作業についての所信表明を受け、決議文を発表した。佐々木総長は評議会に対し、信任投票を行うことを求めていたが、評議会では「総長のリーダーシップの確立は不可欠」とするなどの決議文を採択し、信任投票は避けられたが、事実上総長が信任される形となった。

 7月9日に国会で国立大学法人法など関連六法が成立したことを受け、佐々木総長は15日に開かれた評議会で、今後の法人化作業に関する所信表明を行った。その中で佐々木総長は、法人化作業を行うには総長のリーダーシップが必要だが、「法人化作業を行うことを前提に総長に選出されたわけではない」と述べ、評議会に対して信任投票を行うことを求めた。
 これを受け、24日に行われた臨時評議会では、総長のリーダーシップ確立などの決議文が出席者全員の賛成によって採択された。決議文では、総長が所信表明で述べた「総長のリーダーシップが不可欠」、「リーダーシップの中には人事、財務などに関する有効な意思決定を進めることを含む」「リーダーシップ発揮のためには一定の裁量可能な資源が必要」などの点について総長と同じ理解に立つとし、その上で「(評議会は)最高意思決定機関としての権能を有効・的確に発揮する」とし、総長のリーダーシップのもとで、迅速な意思決定をする姿勢を明らかにした。
 佐々木総長はその後の会見で、決議について「内容的には私の期待していた信任投票に相当するものとなっているのではないか」として、実質的に信任がなされたとの認識を示した。
 評議会では東大紛争時の1968年に総長の信任投票を行ったことがあるが、今回は総長が求めていた信任投票は見送られる形となった。


■無人潜水ロボを公開

  来年5月マリアナ海域へ
  生産技術研究所 浦環教授ら

 水深4000mまで単独航行が可能な無人潜水ロボット「r2D4」を浦環教授(生産技術研究所)らが開発、23日公開した。ロボットは全長4.4m、幅約1.1m、重さ約1.63トンと軽量小型で、リチウムイオン電池を積み、連続12時間航行可能で航続距離は60km。海底の深さや地形を精密に撮影できる。制作費は約3億円。
 プログラムされたコースに対して、衛星通信で位置を確認しながら航行し、ソナーやセンサーで水温や水の濁りを検知すると、自律的に航路変更する。
 来年5月には太平洋のマリアナ海域に潜航する予定。鉱物資源や未知の生物の発見が期待される熱水地帯の観測にも挑戦する。


■採択数はトップ

  21世紀COEプログラム
  文部科学省発表

 文部科学省は7月17日、「21世紀COEプログラム」の審査結果を公表した。今年度は「医学系」「数学・物理・地球科学」「機械・土木・建築・その他工学」「社会科学」「学際・複合・新領域」の五分野について審査が行われ、56大学から計133件が採択された。本学では15件が採択され、2位の京都大学を4件上回り、採択件数ではトップとなった。(本学の採択状況は表の通り)
 このプログラムは、各分野ごとに優れたプログラムを選出し、文部科学省が重点的に予算を配分するもの。採択された拠点には5年間、数億円の資金が配分される。昨年度、本学では8件が採択されている。

専攻分野プロジェクト主たる専攻名拠点リーダー名
医学系脳神経医学の融合的研究拠点脳神経医学辻省次教授
環境・遺伝素因相互に起因する疾患研究内科学永井良三教授
ゲノム医科学の展開による先端医療開発拠点医科研中村祐輔教授
数学
物理学
地球科学
科学技術への数学新展開拠点数理科学楠岡成雄教授
極限量子系とその対称性物理学佐藤勝彦教授
多圏地球システムの進化と変動の予測可能性地球惑星科学山形俊男教授
強相関物理工学物理工学十倉好紀教授
機械、土木、建築、その他工学機械システム・イノベーション機械工学傘木伸英教授
都市空間の持続再生学の創出都市工学大垣眞一郎教授
社会科学国家と市場の相互関係におけるソフトロー法学政治学・民刑事法中山信弘教授
先進国における《政策システム》の創出法学政治学・政治高橋進教授
市場経済と非市場機構との連関研究拠点経済学・経済理論吉川洋教授
ものづくり経営研究センター経済学・企業・市場藤本隆宏教授
学際・複合・新領域生物多様性・生態系再生研究拠点農学生命科学・生圏システム学鷲谷いづみ教授
心とことば―進化認知科学的展開総合文・言語情報科学長谷川寿一教授


■虚偽申請の寄付金返却

  医学部 堤教授

 本学医学系研究科の堤教授が虚偽の申請をし、日本馬主協会連合会から寄付金2000万円を受け取った問題で、副学長が連合会を訪れ、全額を返却して謝罪した。
 医学部調査委員会の報告書などによると、堤教授は2000年4月、同連合会に不妊治療研究に使う医療機材購入の名目で寄付金を申請。同年11月に2000万円が大学の口座に入金された。しかし、申請された機材は前年の1999年に科学技術振興事業団から提供されていた。
 同連合会は問題が発覚した4月ごろから東大側に寄付金の使途の説明と返還を求めていた。



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