896号(2003年8月25日号)

1面主要記事

■空手など4種目で優勝

  総合では6位にとどまる
  第42回国立七大学総合体育大会

 第42回国立七大学総合体育大会(七大戦)が、12日の閉会式をもって全日程を終了した。総合順位は1位名古屋大学、2位京都大学、3位東北大学、4位大阪大学、5位北海道大学、6位東京大学、7位九州大学だった。主管校として3回連続の総合優勝を果たした名古屋大学は総合得点221点を獲得し、2位以下を大きく引き離した。本学は、ラクロスなど4種目で優勝したものの、総合では昨年に続き6位にとどまった。

自由形100mで優勝した本学の深谷君
 今年の七大戦は、7月下旬から8月上旬までにほとんどの競技が行われた。梅雨や台風などの不安定な天候を横目に、各会場では熱戦が繰り広げられた。合計36種目の競技のうち、本学は空手道、アーチェリー、バレーボール男子、ラクロスで優勝。この4種目が獲得した得点は本学の総合得点の3分の1にあたる。成績表の順位・得点には反映されていない種目(写真の水泳など)でも本学学生の活躍が見られた。
 閉会式は名大シンポジオンホールで行われた。名大総合保健体育科学センターの島岡清教授は講評のなかで、名大総合優勝の一因に女子の活躍をあげ、男女共同参画社会が推進される昨今の社会情勢を踏まえて、「今後の大会も女子の活躍が鍵を握るだろう」と評論した。最後に名大応援団が勇ましくも、どこか哀愁の漂う演舞を披露して閉会となった。
 国立大学の法人化により、七大戦は来年から名称新たに「全国七大学総合体育大会」となる。

第42回七大戦結果
種目北海道東北東京名古屋京都大阪九州
順位5位3位6位1位2位4位7位
総合得点153156141221175154118
アイスホッケー10863124
スキー23461
航空628341
馬術614832
柔道5101.531.558
少林寺拳法12468103
水泳1012.58462.5
ヨット86213410
空手道18106432
剣道男子32681041
剣道女子31246810
バスケット男子34268110
バスケット女子168342
硬式庭球男子18410632
硬式庭球女子36181042
アーチェリー43101682
弓道男子81064231
弓道女子48210361
陸上競技男子23468101
陸上競技女子34681.51.5
卓球男子31681042
卓球女子836142
軟式庭球男子83164102
軟式庭球女子418623
ハンドボール31410628
バレーボール男子64103281
バレーボール女子32110468
体操48361021
硬式野球41681023
バドミントン男子10813624
バドミントン女子64310281
ラクロス41623
フェンシング61023841
ゴルフ26810431
準硬式野球231684
自動車43681210


■小石川分館で夏休み講座

  総合研究博物館

 8月21日(木)と22日(金)の2日間、本学総合研究博物館小石川分館において、夏休み「サイエンス&ものづくり」講座2003が行われた。対象は小学4年生から中学3年生までで、子どもたちは鏡箱作りに没頭した。


■科研費を不正流用

  カラ出張で副学長辞任
  似田貝香門教授

 似田貝香門副学長の研究室が、1998年度から3年間にわたり、日本学術振興会の科学研究費補助金(科研費)を不正流用していたことが明らかになった。似田貝副学長は「大学に対して迷惑をかけられない」として1日に辞表を提出、受理され、8日に文部科学省が解職を発令した。
 似田貝副学長は、阪神大震災後のボランティア団体の活動をテーマとした研究の代表者として、1998年度から3年間にわたり、科研費1770万円を支給された。そのうち1000万円近くが出張などの旅費として支給されていたが、そのうちの約490万円がカラ出張だったという。似田貝副学長によればこれらの不正に受給した補助金は他の研究費に充てられており、私的流用は行われていないという。
 本学では文学部内に調査委員会を設け、不正の全容解明に取り組むとともに、似田貝副学長の処分を検討する。
 本学では医学系研究科の堤治教授が科研費を不正流用したとして、停職一カ月の懲戒処分を受けたばかり。この問題を受けて記者会見に臨んだ佐々木毅総長は、補助金の不正流用に関して大学が複数の情報を把握していることを明らかにしたが、その中には似田貝副学長の名前も挙がっていたという。
 似田貝副学長の辞任を受けて本学は12日に臨時評議会を開き、後任に前法学政治学研究科長の渡辺浩教授を起用することを決めた。
 (3面に関連記事)


■レーザー伸縮計を設置

  本学地震研究所

 地震研究所は、京大理学研究科と共同で、神岡鉱山の地下約1000mに、世界最高感度のレーザー伸縮計を設置した。
 レーザー伸縮計が設置された場所は宇宙線研究所の観測装置「スーパーカミオカンデ」と同じ神岡鉱山の地下坑内。ここに新たにトンネルを掘り、東西方向と南北方向にそれぞれ1本ずつ長さ100mのステンレス管を設置した。パイプ内を真空にしてレーザー光を通し、両端の距離を連続観測、岩盤がひずむとこの距離が変動して検出できる仕組みになっている。0.01ナノメートル(ナノは10億分の1)の岩盤の伸縮を検出できるため、地震波が起きない「サイレント地震」などの観測が期待されている。



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