898号(2003年9月15日号)

1面主要記事

■大学別で本学トップ

  21世紀COEプログラム交付額を決定
  文部科学省

 文部科学省は8月3日、2003年度の21世紀COEプログラムに新規採択した133件に対して、初年度に交付する補助金の交付額を決定した。総額は158億1800万円で、そのうち国立大学(プロジェクト97件31校)が121億8100万円(全体の約77%)、私立大学(31件21校)が32億2100万円、公立大(5件4校)は4億1600万円という内訳となった。

 大学別では本学が19億9200万円とトップで、京都大学が14億7300万円と、これら2校だけで全体の約22%に達した。交付額が最大のプロジェクトは京都大学化学研究所の金久教授のプロジェクトで、その後に東京工業大学、徳島大学と続いた。
 本学の最高額のプロジェクトは医学系研究科の辻省次教授の「脳神経医学の融合的研究拠点」で、2億1200万円。その他、本学の主な採択プログラムは、医学系研究科・永井良三教授の「環境・遺伝素因相互作用に起因する疾患研究」(2億400万円)、医科学研究所・中村裕輔教授の「ゲノム医科学の展開による先端医療開発拠点」(2億300万円)など、医科学系の研究が上位を占めた(表)。来春の国立大法人化とも関連し、これら重点配分された資金がどれだけの成果につながるのか注目される。


■IPMS第2期開講

  10月1日より 定員20名
  先端科学技術研究センター

 本学先端科学技術研究センターの知識創造マネジメント専門職育成ユニットは、社会人向けの知的財産活用オープンスクール「先端知財人材育成オープンスクール」(IPMS)の第2期を2003年10月1日から開講する。
 本スクールは、知財を活用し、先端的な業務を担う人材を育成することを目的としており、日本を代表する知財関係者、ベンチャー関係者による講義を軸とした短期集中のプログラムを提供するとともに、成績優秀者には短期海外研究なども準備している。第1期は、2002年11月から2003年2月までの4ヶ月間、毎週水曜日夜に開講された。日本初の知的財産活用・マネジメントの本格的なスクールとして、募集定員30人に対して応募者が300人近く押しかけた。
 第2期は10月1日から2004年2月25日までの5ヶ月間、毎週水曜日夜に12回の講義と演習、国内の事例研究などの授業を行う。ディスカッションなどの環境を考慮して、今回は募集定員を20名とさらに少人数化する。また、第1期IPMSでは、職種や実務経験などの違いにより知的財産の基礎知識にある程度の差がみられたため、第2期の受講生には、同ユニットが作成した「知財制度の概要」というDVDおよびテキストの組み合わせ教材で自習し、10月1日の開校日に試験を受けることが義務付けられる。


■理学系研究科技術シンポ開催

  理学部

 第20回理学系研究科技術シンポジウムが5日、理学部化学本館講堂で行われた。開会にあたり、「人類共通の知の創造」が理学系研究科の基本的使命だが、今回の発表を通して新たな技術や産業の創出にも寄与したいと、本シンポジウムの趣旨が語られた。地球惑星科学専攻の吉田英人氏が「EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)を用いた電子線照射に不安定な試料の微量成分分析技術」と題した発表を行った他、5人の技官の発表が行われた。このシンポジウムには専門分野を異にする同研究科の技術官ら20名程度が参加し、研究発表を受けて質疑応答が交わされた。


■田村さん(法)が優秀賞

  第2回学生起業家選手権

 東京都と東京都中小企業振興公社による第2回学生起業家選手権の決勝大会が3日、東京・両国の国際ファッションセンターで開かれ、本学法学部私法学科の田村仁人さんが優秀賞に輝いた。
 田村さんのビジネスプランは、「受験サポート・サービス」。受験生の保護者には受験生との接し方や教育費を節約するノウハウ、受験生には独自の効率的な勉強方法を紹介するサービスだ。このほか、創価大学の光森絵里奈さんの「古着に高付加価値をつけてリメイクする」、東京女子医科大学大学院の田倉智之さんを代表とする「医療分野のリスクマネージメントサービスの提供」がともに優秀賞に選ばれた。
 この選手権は、都と都中小企業振興公社が、学生起業家の育成を目的に「来たれ! 未来の起業家」をキャッチフレーズとして、会社設立を目指す大学生らから新たなビジネスプランを募集するもので、今回が2回目。優秀賞受賞者には、発表したビジネスプランの内容をもって東京都内で有限会社または株式会社を設立(原則として設立後5年間は東京都内に所在)することを条件に300万円が助成される。応募総数は49グループで、書類審査を通過したのは40グループ。さらにこの決勝大会まで進出したのは10グループだった。
 決勝大会には、優秀賞を受賞した田村さんの他、理科一類の青木健太さんによる「日本カンボジア間のシステム共同開発事業」、大学院経済学研究科の千保理さんによる「外国人観光客向けの情報提供サービス」、大学院工学系研究科の水野祐介による「misc都市のリスク情報ステーション」と四つのビジネスプランが出場するなど、本学学生の活躍がみられた。



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