■発明コンテスト実施
知的財産権教育の一環として
生産技術研究所
生産技術研究所は本学の全学生を対象に、「第1回東京大学学生発明コンテスト」を実施する。このコンテストは、学生が知的財産権に対する理解を深めることを目的に企画されたもので11月4日から12月1日まで応募を受け付け、来年1月から3月にかけて審査が行われる。
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知的生産活動により得られた新規アイデアを個人の内に秘めておくばかりでなく、新規性の権利を明確に主張できることがこれからの研究者に求められている。そこで、研究者の卵である学生に、そのような権利主張を行うトレーニングの機会を与えることを目的に今回の発明コンテストは企画された。同時に教官側も、新たな発明に対する「目利き」を育成したいとも考えている。
本学の学生であれば学部・学年を問わず誰でも応募可能で、「特許法上の発明」(自然法則を利用したアイデアで、産業上利用できるもの)であれば発明の分野や内容は問わない。12月1日までの応募期間の後、書類審査が行われ、来年3月にプレゼンテーションを交えた本審査が行われる。審査は発明の新規性・新鮮さ・着想や工業所有権としての価値、技術レベル、発明としての完成度およびプレゼンテーションをもとに行われ、教育の一環であることに鑑み、その発明によりどれだけの利益が見込めるかといったことは重視されない。応募された発明の中から最優秀賞、優秀賞、アイデア賞が選出され、表彰される。また優秀な発明に対しては、財団法人生産技術研究奨励会(TLO)が特許出願のサポートも行う。
今回の発明コンテストを企画した生産技術研究所の畑中研一教授は、「初めての試みでありどうなるか読めないところも多いが、数多くの学生からの応募を期待している」と述べている。また今回は生産研主催で実施しているが、成功したら2回目以降は全学的に実施していきたいとしている。
■第100回東京大学公開講座開催
テーマは「未来を拓く」
第100回公開講座が9月27日から、本郷キャンパス大講堂(安田講堂)で開催された。この講座は毎年春と秋に開催されており、各回決められたテーマをもとに、本学のさまざまな分野の教官が一般向けに講義している。今回の講座では、「未来を拓く」を主題として、「環境を創る」、「安全を打ち立てる」、「生命を守る」、「情報を生きる」および「貧困と闘う」という5つのアプローチで計10名の教官がそれぞれの専門の立場から講演する。
開講に先立ち佐々木毅総長が挨拶を行った。その中で佐々木総長は、未来をいかに拓くかという意志の重要性を強調し、その意志のもとでどのように行動するかが問われていると述べた。また、文系・理系という分類を越えた、多様な知の融合が求められていることを指摘した。
続いてアプローチ1「環境を創る」というテーマで、理学系研究科の山形俊男教授と工学系研究科の内藤廣教授がそれぞれ「計算機の中に作る気候変動」、「建築の美しさと土木の美しさ」と題して講義を行った。
当日安田講堂には、さまざまな年齢層の人たちが集まり、興味深そうに講義を聞いていた。
■起き上がるロボット開発
情報理工学系研究科国吉助教授ら
情報理工学系研究科の国吉康夫助教授らは、あおむけに寝た状態で上げた両足を振り下ろす勢いを利用して起き上がるロボットを開発した。従来のロボットより素早く、2〜3秒で起き上がることができる。
このロボットは身長160cm、重量70kgで、「ダニール」と名付けられた。人間型だが、起き上がりなどに機能を絞っているため歩行はできない。 ロボットの起き上がり動作は従来、身体の位置を細かく刻々と制御する方法が中心で、ゆっくりした動きだった。今回は、自然な運動を最大限生かすため、足の振り下ろしを利用。足が地面につく瞬間や、ひざを曲げる瞬間などの節目だけを制御するようなプログラムを組んだ。この日の実演では、寝た状態からまず両手を、続いて両足を上げ、振り下ろすと、中腰になるまで起き上がり、バランスを取って座る姿勢を保った。
今後は、ロボット自身がコツを見つけて動作を習得する方法の開発を目指すという。
■Newsホットライン
▽朝鮮学校卒業生の受験資格、大検合格を条件とせず
本学は来春の入試から、朝鮮学校卒業生に対し、大学入学資格試験合格を条件とせずに受験資格を認める方針を明らかにした。これは文部科学省が19日に、外国人学校卒業生の大学入学資格を認める省令改正を行ったことを受けたもの。
▽東京六大学野球、善戦も開幕4連敗
東京六大学野球秋季リーグ戦が9月13日に開幕し、東大は早大、明大との対戦を行った。東大投手陣は松家、木村が好投し接戦を繰り広げたものの、打線にあと一本が出ず開幕4連敗を喫した。
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