■新しいフィールド農学目指し
東大農場開場125周年記念シンポ開催
東京大学大学院農学生命科学研究科附属農場(東大農場)主催の東大農場開場125周年記念シンポジウム‐新しいフィールド農学を目指して‐が10月21日、125周年記念事業で建設された弥生講堂で開催された。
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現在の東大農場は、1878(明治11)年に農学部の前身である農学校に設置された学内農場に起源を求めれる。東大農場は、日本における近代農学および実践農学の確立を担うとともに、現実の農業の発展に大きな役割を果たしてきた。「持続的植物生産学」および「ストレス生物学」を二本柱として、低投入持続的・環境調和型農業を確立するための研究を進めている。
東大農場は今年、開場125周年を迎え前記の二本柱に循環型共生社会の創出という視点を加えて、日本と世界における食糧問題および環境問題に対処するためのフィールド農学の拠点となり、研究教育において先導的な役割を果たしたいとしている。
まず農学生命科学研究科副学部長の武内和彦教授により東大農場の変遷と今後の展開について基調講演が行われた。次いでオーストラリアとタイ王国の研究者がフィールド農学研究の場をアジア域で共有する立場から特別講演を行うとともに、現在東大農場以外に所属している演者4名が東大農場に対するそれぞれの意見を述べた。最後に先の講演を踏まえて行われたパネルディスカッションでは、「新しいフィールド農学を目指して」というメインテーマのもと、オーガナイザを務めた東大農場森田茂紀教授のほか7名のパネリストが、会場にかけつけた学生や市民をまじえてあるべき東大農場像について意見を交わした。
(3面に講演要旨)
■ファンド運営会社設立へ
公共性を高めることが特徴
本学が来年1月にも
本学は21日、大学の研究成果を事業化するための基金(ベンチャーファンド)の運営会社を来年1月にも設立すると発表した。
大学関連のベンチャーファンドの運用は企業が担う場合が多かったが、大学が直接関与することで、将来性の高い研究に投資することを目指す。資本金は1000万円程度の株式会社で、資金面などで本学がどの程度関与するかは、今後詰める。
運営会社は企業から資金を集め、本学内のどの研究に投資するかを決める。今回のファンドはできるだけ多くの企業からの出資を募って公共性を高めることなどが特徴。
■堤教授に停職6ヶ月
本学評議会が処分方針
本学は21日、学部長らで構成する評議会を開き、日本馬主協会連合会に「医療機器を購入する」と虚偽の申請をし、約2000万円の寄付金を受けとったとして、医学部の堤治教授を停職6カ月の懲戒処分とする方針を決めた。
それに対して堤教授は22日、停職六カ月の懲戒処分案に不服の意見陳述を書面で伝える意向を固めた。
処分の最終決定には、堤教授からの意見聴取を踏まえて再審議するため、なお時間がかかる見通し。
本学の調査などによると、堤教授は2000年4月、「不妊治療の研究を使う医療機器を購入する」と申請し、同連合会から2000万円の寄付を受けたが、この機器は別の補助金で購入済みで、申請内容は虚偽だった。
これについて、7月に設置された本学の特別委員会は、行為の悪質さや、金銭の大きさなどを重くみて、「停職六カ月の処分が相当」と評議会に報告した。
堤教授は国から支給されていた研究費の流用で、6月に停職1カ月の懲戒処分を受け、皇太子ご夫妻の主治医としての東宮職御用掛も辞任している。
■Newsホットライン
小柴さん、「大強度陽子加速器計画」の前倒し要求
小柴昌俊本学名誉教授は21日、ニュートリノ研究の延長上にある「大強度陽子加速器計画」の第二期前倒しが、総合科学技術会議の来年度概算要求で、最低のCランクとされたことについて、同会議議員の井村裕夫元京都大学長らと会談し、予算化を訴えた。
小柴氏は、同計画でのニュートリノ観測について、「外国もぜひ参加したいと言っているし、後世に残る成果を出し得る」と前倒しの実現を求めた。
わいせつ画像所持で本学院生を逮捕
愛知県警は23日、本学大学院2年、村上竜司容疑者を、わいせつ図画販売目的所持の現行犯で逮捕した。
村上容疑者はインターネットの掲示板に広告を掲載し、1枚1200円でわいせつDVDを販売していた。
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