■優秀研究者の報酬厚く
「寄付基金教授制度」を導入
先端科学技術研究センター
本学先端科学技術研究センターは10月30日、民間からの寄付金を基に教授を雇用する「寄付基金教授制度」を来春の法人化にあわせて導入すると発表した。
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教授の任期が区切られ、身分も非常勤だった企業の寄付による従来の寄付講座制度とは異なり、世界トップレベルの研究者を多額の年俸で厚遇し、長期間雇用するのが「寄付基金教授制度」の特徴。
米国の有力大学では導入されているが、本学の定年(61歳)を適用しない事実上の終身教授制で、国内の国立大では初めての試みとなる。この背景には、法人化による国立大の教職員の採用や外部資金の調達の自由化があげられる。
既に製薬会社興和(本社名古屋市)が、4億円の寄付基金を申し出ており、これを基金として、生命科学分野で成果を上げている研究者が年明けごろまでに国内外から選考される予定。
寄付基金教授は東大の正規の教授だが、給与は国費ではなく寄付金を基にした基金から拠出。肩書きに「興和基金教授」というように寄付の企業名を冠する。センター長の南谷崇教授は「レベルの高い研究を行うのが狙い。格上の教授として好待遇で迎えたい」と語っている。
■病院6割でネット使えず
都内200床以上の病院を調査
医学系研究科 高橋助手ら明らかに
本学大学院医学系研究科の高橋都助手(健康科学)らは、調査によりベッド数が200床を超える病院の6割以上が、入院患者や家族がパソコンでインターネットに接続する環境を用意していないことを明らかにした。
高橋助手らは、都内の一般病棟200床以上の122の病院すべてを対象に調査を実施。67施設より回答を得た。
調査によると、病院の12%がパソコンの使用を全面禁止していた。また29%は条件付でパソコンの使用を認め、59%は規定がなかった。
また、病院の61%は、ネット接続の環境を「用意していない」と答えた。接続可能な端子付きの公衆電話を設置している病院は33%、患者用のパソコンコーナーを設けたり、ベッド横でインターネットが使える設備のある病院は9%だった。
このような病院のIT環境に対して、病院の79%が改善する予定は「ない」と回答。その理由として予算不足(78%)、設備工事が難しい(62%)、患者の安静が保てない(同)などがあげられた。
高橋助手は、インターネットを利用することが暮らしの一部になっていることを、病院側は意識しきれていないと指摘した。
■全寮制校長に伊豆山名誉教授
トヨタ・中部電力・JR東海が発表
伊豆山健夫本学名誉教授が先月30日、2006年4月開校に向けて準備が進められている全寮制の中高一貫校の校長に内定したと、トヨタ自動車、中部電力、JR東海の三会社から発表された。
伊豆山教授は、東京の私立開成中学・高校の校長も務めたことがあり、「未来への希望に満ちたリーダーを育てたい」と抱負を述べた。
■杉山教授が最優秀賞を受賞
米・薬学会
本学大学院薬学系研究科の杉山雄一教授が、今年の米薬学会最優秀薬学研究者賞を受賞した。
この賞は、薬学研究で優れた業績をあげた人に米薬学会が2年に一度授与している。日本からの受賞は初めてで、杉山教授は94年にも世界薬学連合国際賞を受賞している。
■Newsホットライン
地震研、高精度津波測定の実験開始
本学地震研究所は日立造船と来年4月から、地震で発生した津波の接近をGPS(全地球測位システム)を使って即座にキャッチする本格実験を高知県の室戸岬沖で開始する。GPSを使うと、津波の高さを精度よく測ることができる。太平洋沿岸に津波が打ち寄せたときの津波災害を防ぐ緊急情報として活用が期待される。
国大協、前期日程一本化を容認
佐々木毅総長が会長を務める国立大学協会は先月31日の理事会で、面接などで選ぶアドミッションオフィス(AO)入試や推薦入試である一定の学生を募集すれば、後期日程をやめて前記日程に一本化することも認める案を了承した。
現行の「分離分割」方式は維持する。12日に正式に決定する。
災害測定システムを開発
本学生産技術研究所は、人と防災未来センターのグループと災害発生時に、電力消費者の減少幅から建物被災を把握するシステムを開発した。国は被害を推定できるシステムを導入したが、被害を直接測定できるシステムは初めて。
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