■法大から10季ぶり白星
升岡、中前打で逆転
東京六大学野球
東京六大学野球春季リーグ戦、第六週の対戦が8日から神宮球場で行われ、東大は今季開幕からまだ勝ち星がない法大と対戦した。東大は1勝2敗で法大に勝ち点を献上したが、10季ぶりに法大から勝ち星を挙げるなど健闘した。
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一回戦は東大先発の松家が初回法大の藤田啓、田中彰の適時打などで大量5点を奪われ、法大に主導権を握られた。九回には藤田啓の2点適時打などで3点をあげられダメを押された。東大は初回の大量点が響き、打線も元気なく法大中野に3安打に封じられ、完封負けした。
二回戦は雨で2日順延後の11日に行われ、東大が逆転で法大を破り1勝1敗のタイに持ち込んだ。3点を追う東大は八回、二死一塁から荻田が適時二塁打を放ち1点を返し、法大大引の2塁への送球がそれる間に荻田も一気にホームインして1点差とした。二番手鶴岡からなおも太田が二塁打で続き、杉岡の適時打で同点に追いついた。九回には一死二塁から升岡が中前適時打を放って決勝点をあげ、4‐3で逆転勝ちした。松家は、五回に自らの暴投などで3点を失ったが他の回は安定した投球を見せ完投勝ち。リーグ戦初勝利を収めた。東大は早大戦に続く白星で、2校から勝ち星を挙げたのは10季ぶり。
三回戦は東大投手陣が序盤から法大打線に捕まり、先発全員安打全員得点を許すなど大敗。初回、法大は田中彰、松浦健が本塁打、その後も五回に田中彰がこの日2本目となる本塁打を放ち、七回には7安打を集中させ6点を奪った。九回にも5点を奪い、大量20得点とした。東大打線は一回戦に続き法大先発中野の前に3安打と沈黙、反撃の糸口も掴めなかった。
◇一回戦(五月八日)
法大
501000003|9
000000000|0
東大
勝 中野(一勝一敗)
敗 松家(四敗)
◇二回戦(五月十一日)
東大
000000031|4
000030000|3
法大
勝 松家(一勝四敗)
敗 鶴岡(一敗)
◇三回戦(五月十二日)
法大
502020605|20
000000000|0
東大
勝 中野(二勝一敗)
敗 木村(一勝三敗)
■市民などの反対で延期
今年度の実施は断念
遺伝子組み換え栽培実験
本学大学院農学生命科学研究科は、12日から西東京市の附属多摩農場で行う予定だった遺伝子組み換えジャガイモの栽培実験を延期することを決めた。
実験はジャガイモの品質を決定する仕組みの解明を目指し、トウモロコシ遺伝子を組み込んだジャガイモを屋外で栽培しようとするもの。これまでの実験より正確な情報を得るため、野外栽培によって光合成速度などを解析する必要があるとして、野外実験を企画した。
しかし、4月27日と5月7日の2回、地元住民に対する説明会を開いたところ、市民や環境保護団体、農協関係者などから遺伝子組み換え作物の安全性を疑問視する意見が相次いだ。
野外実験は植え付け時期が重要なため、今年度は実施を見送ることになる可能性が高い。
■自然との接点を開発
2助教授、研究成果を公表
生産技術研究所
本学生産技術研究所の定例記者会見が12日、同研究所の第一会議室で行われた。今回は大岡龍三助教授と沖大幹助教授が、それぞれの研究成果を公表した。
大岡助教授は、「地中熱利用空調システムの開発/ヒートアイランド対策評価のためのシミュレーションツールの開発」と題して研究発表した。地中熱利用空調システムが実用化に遠い現状については、「原因として我が国の地中熱交換器埋設のための地盤掘削コストが欧米に比べて高価であることが挙げられる」と説明した。経済的に成り立つ地中熱利用空調システムを目指し、建物の基礎杭を利用することで地盤掘削コストを削減する方式の開発を提案し、この方式を用いた建物事例並びに研究成果について報告した。
沖助教授は、「雨の起源の定量特定に成功―降水中の安定同位体を指標として―」と題し、研究を中心となって進めた芳村圭助教授とともに発表した。降水起源の時空間変動を解析すると、アジアモンスーンなどによる大規模な水蒸気輸送の様子が浮かび上がる。例えば、南アジア・東南アジアで農業などに多大な影響を与える雨季の開始時期には、インド洋からの水蒸気供給の急激な増加が影響している。芳村助手は「日本や中国の梅雨前線のメカニズムに関する研究にもこの研究成果が利用されている」と付け加えた。
■ウィニー開発で大学院助手を逮捕
京都府警
インターネットを通じてパソコン間でファイルを共有するソフト「Winny」(ウィニー)を開発し、著作権のある映画やゲームソフトなどの違法コピーを手助けしたとして、京都府警ハイテク犯罪対策室と五条署は10日、著作権法違反ほう助容疑で本学大学院助手金子勇容疑者(33)を逮捕した。
府警の調べで金子容疑者は、極めて匿名性の高い機能を有し、警察に摘発されにくいファイル共有ソフトを開発しようと計画。インターネットで無償配布することを電子掲示板で告知しており、府警はソフトが違法な複製に利用されるとの認識があったとみて逮捕した。ソフト開発者を著作権法違反の「ほう助」に問うのは国内で初めて。
■賠償金6600万円の支払い命令
東京地裁
本学医学部附属病院で脳腫瘍の摘出手術後、鎮静剤投与ミスで、意識不明の状態にある大阪市の揚鴻飛さん(85)と家族が、本学に総額約1億300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が4月27日、東京地裁で行われた。菅野博之裁判長は附属病院に約6600万円の支払いを命じた。
判決は、研修医が人工呼吸の技量もなく、鎮静剤投与で呼吸停止の可能性があるにも関わらず、他の医師を呼ぶなどの備えをしないで、一人で投与した過失があることと、対応する医師が研修医一人しかいなかったとする体制の不備を指摘した。
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