1071号(2009年9月5日号)

1面主要記事

デジタルペンで授業

  中学作文で論理思考育成
  先端研

 本学先端科学技術研究センター(以下先端研)の中邑賢龍教授と日立製作所(以下日立)の研究グループは8月28日、デジタルペンで書いた生徒や教師の意見や考えを教室内のスクリーンに映し出し、クラス全員が同時に視覚的に情報を共有できる授業支援システムを開発したと発表した。同システムは、文部科学省からの委託事業「先導的教育情報化推進プログラム」の一環として行われているもの。中学校の作文授業で同試作システムが論理的思考の育成に効果があることを確認した。

研究グループは、生徒がデジタルペンを使って専用の用紙に意見などを書くと、書いた内容が教師のPC上に自動的に集約され、教師の操作によりその内容が教室内のスクリーンに映し出されるシステムを試作。教師向けには、デジタルペンと紙を用いてPCの画面の操作や教材を選択するペーパーコントローラーを新たに開発した。これによりPCの操作に不慣れな教師でも、慣れ親しんだ紙とペンを使ってIT機器を簡単に操作し、授業を進行させることができる。
 同グループは中学生が対象の作文の授業に試作システムを導入し、検証を実施。検証では生徒をお互いの意見を視覚的に情報共有した群としなかった群に分け、それぞれの群で授業の前後で書かれた作文について、質的、量的観点から客観的評価を行った。質的評価には@説得性、A客観性、B記述の丁寧さを、量的評価には、作文の@主張に関する「根拠」記述の数、A反対意見への言及の有無、B再反論の言及数、を評価基準として用いた。その結果、視覚的に情報を共有した群では、これらの評価項目の得点が向上したことが分かった。
 研究グループは、今後は数学をはじめとする他の教科でも効果の検証を進める予定。


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