長寿共同体モデル構築
柏市・都市再生機構と協力
高齢社会統合研究機構
7月9日、本学高齢社会総合研究機構は、千葉県柏市、都市再生機構千葉地域支社と共同、柏市・豊四季台地域を対象に、長寿社会まちづくりのモデル構築の研究会を発足した、と発表した。
柏市・豊四季台団地は1964年に旧日本住宅公団(現都市再生機構(UR))が建設した大規模団地で、今日すでに建替が始まっており、整備敷地の一部に特別養護老人ホーム等を誘致することになっている。一方、4月に発足した同高齢社会総合研究機構では、Aging in Place(住み慣れた地域で安心して自分らしく老いることができる社会)をキーワードに、きたる超高齢社会では独居でも安心して長寿を全うし、生き生きと高齢期を生き、また子育て世代にも地域の支えで安心に生活できるまちづくりを目指し、ジェロントロジー(老年学)の学際研究に取り組んでいる。本研究会は、東大・柏市・都市再生機構の三者が会することにより、同地域住民の賛同も得、豊四季台団地を中心とした地域をフィールドに、長寿社会まちづくりのモデルケースを構築しようとするもの。在宅医療システムの整備、訪問看護や訪問介護で安心できる社会づくり、また生きがいづくりに向けた諸々の活動を企画すると同時に、地域住民が主体的にまちづくりに関与し、三者がその実現に向けて協力する体制を敷く、という。
高齢社会総合研究機構:
本年4月1日、本学総長室に「高齢社会総合研究機構」(Institute of Gerontology, The University of Tokyo)が新設。これは06年4月に、総長室総括プロジェクト機構の活動の一つとして、日本生命保険相互会社、セコム株式会社、大和ハウス工業株式会社の三社からの寄附金で設置した「ジェロントロジー寄付研究部門」の3年間の活動を踏まえ、大学の恒常的な組織として発展させるもの。現在約21%の日本の高齢化率は、今後20年間で33%に達し、75歳以上の後期高齢者が1千万人増加して倍増となり本格的な超高齢社会を迎える。この未曾有の高齢化は、未だ世界のどの国も経験していない。日本はこの分野のフロントランナーとして世界から注目を浴び、模範国となることが期待されている。超高齢社会の広範かつ複雑な課題を解決するには、既存の学問領域を越え、包括的な新学問体系を築くことが必要。世界最長寿国であって他国に先駆けて顕在化する高齢社会の諸課題に全学的な知を結集して取り組み、形成期途上のジェロントロジー学推進と同時に、エビデンス・ベースの政策・施策提言実施を目指している。また、学部横断的なジェロントロジーの教育プログラムにより超高齢社会を担う人材養成を行うと同時に、大学外にも広く門戸を開き、他大学、民間の研究機関、企業、行政、地域団体と連携・協力して活動を展開する、としている。
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