■科類制度見直しへ
学内検討委員会を発足
本学は、連休明けから教育システムを見直すための検討委員会を発足させた。委員会は学部長や学科長をメンバーとし、教養学部の科類制度や前、後期にわけている入試制度の見直し、学生による教授らの授業評価制度の導入などを検討し、今年度中に短期、長期の改革案をまとめる。
国立大学の独立行政法人化が早ければ2年後にも導入される見通しとなっており、大学が個性を打ち出すことが急務となっている。佐々木総長も入学式の式辞で「研究・教育の面で思い切った見直しを行ない、教職員の潜在的能力を引き出していくために、東京大学は独立した法人格を持つことに躊躇すべきでない」と述べており、今回の検討委員会の発足も、独法化に向けた対応と見られている。
教養学部の科類制度は、学生に幅広い視野を持たせ、自分の適性を考える期間を与える制度として重要とされている。入学後1年半の時点で進学振り分けによって3年からの進学先を決めるが、文T、文U、理Vでは、入学した時点で進学先が事実上決まるため、科類制度が生かされていないという指摘がある。また、偏差値が高いという理由で科類を選び、入学してくる弊害も指摘されており、より大くくりに入学させ、その後に適性を見極めさせたいというのが今回の科類制度見直しだ。
また、入試制度についての見直しも検討課題の一つである。現在、前期入試では4教科5科目が課されているのに対し、後期入試では文系は論文、理系は理科や数学、英語のみで合否が決まる。これは本来は前期と違うタイプの学生を取ることを目的としているが、実質は前期入試の敗者復活戦になっており、後期入試の特性が十分に生かされていない。
この他にも、学生による授業評価制度や、特待生制度の創設などが検討課題としてあげられている。
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