847号(2001年12月5日号)

1面主要記事

■情報理工学系研究科創立記念シンポ開催

情報の拠点目指す

 本学大学院情報理工学系研究科創立記念シンポジウムが11月26日午後1時より、安田講堂で開催された。これは「世界と社会に開かれた情報の拠点」と題した情報理工学系研究科創立記念行事の一環で開かれたもので、この日は同時に学生による研究展示デモも行われ、学内外から関係者が多く集まった。

 創立記念シンポジウムでは、まず始めに田中英彦情報理工学系研究科長が「研究科のめざすもの」と題して同研究科の紹介を行った。
 これまで情報科学技術に関連した本学の組織は、理学系と工学系の研究科に分かれていたが、情報理工学系研究科は今年4月、21世紀の情報科学技術の基盤充実と新機軸の展開を図る目的で新設された。「コンピュータ科学専攻」「数理情報学専攻」「システム情報学専攻」「電子情報学専攻」「知能機械情報学専攻」の五専攻からなる同研究科は、産学連携の強化のために、二つの企業との連携講座も設置している。また特別活動プログラムとして、新しい産学連携の枠組みとしての「情報理工ARA(先進研究支援)プログラム」をスタートさせた。研究、教育や、そのための場の提供などを通して、諸学問分野への貢献を目指す。
 田中教授は最後に、学生、企業、諸大学関係者に向けて、新しい情報世界を築き、共に日本の大学をよりよいものにしていこうと呼びかけ同研究科の紹介を締めくくった。
 続く来賓による祝辞の中で佐々木毅総長は「2年前の情報学環と今年の情報理工学系研究科の創立によって、東大における情報学の分野が完成した。強力な産学連携を取り入れていくこの分野は、これからの時代には欠かせないものである。大学側としても、ここが重要な組織の一つとして発展していけるよう支えとなりたい」と述べ、同研究科に大きな期待を寄せた。
 続いて「世界に開かれた大学」「社会に開かれた大学」という二つのテーマのもと、国内外の大学教授や企業関係者などが順に講演を行った。本学の石塚満教授は「研究科の産学連携プログラムの発足」と題し、同研究科が取り組みを始めた産業界との連携方法について説明を行った(3面に関連記事)。最後に武市正人教授が挨拶し、創立記念シンポジウムは終了した。
 安田講堂で同時に行われた学生による研究展示デモも盛況で、見学者は学生が積極的にアピールする研究内容を興味深そうに聞いていた。
 翌27日には第1回情報理工シンポジウムや、研究室を公開するオープンハウスが開催され、同研究科では今後の発展に向けて大きな意欲を示していた。


■第1回医工連携シンポ開催

今後の可能性を模索
医学部長「全ての分野で連携可能」

 本学医学部、工学部主催の第1回本学医工連携シンポジウム「バイオ・IT・ナノテクノロジーのニーズとシーズ―医学から、工学から―」が11月28日午後4時より、医学部附属病院入院棟15階大会議室で行われた。
 シンポジウム前半は、医学部循環器内科の永井良三教授の司会で進められた。最初に加藤進昌医学部附属病院病院長が歓迎の挨拶をした後、小宮山宏工学部長ら5人が講演を行った。このうち医学部薬剤疫学の山崎力教授は「ITを活用した医療情報の体系化とデータマイニング」と題した講演の中で、現在の超高齢化社会の中での医療の問題を指摘、これから医療安全を図るためにはすべての医療情報をデータベース化することがまず必要であると訴えた。
 大学院工学系研究科都市工学専攻の大垣真一郎教授の司会で進められた後半は、桐野高明医学部長ら4人が講演を行った。大学院工学系研究科産業機械工学専攻の光石衛教授は、最近新聞でも取り上げられた遠隔手術について、テレビ番組のビデオを参考にしながら説明を行った。このシステムの利点として光石教授は、感染からの回避、大至急に診断ができる、などを挙げ、21世紀の医療システムとして患者の負担が低減されるものであるとした。
 最後に桐野高明医学部長が「医工連携への期待」と題して講演を行った。その中で同医学部長は、医学と工学とは計算機械学情報工学、材料工学、ナノテクノロジー、ロボティックス、分子生物学、遺伝子工学、細胞生物学、発生工学などあらゆる分野で連携が可能であることを述べた。また、新しい研究領域の創出、新しい組織運営、医学部基礎臨床の連携、工学部を中心とした他領域との連携など、医工連携は努力次第でさらなる発展が可能であるとの見通しを示した。
 会場には主催者側の予想をはるかに上回る学生、社会人が詰めかけるなど、関心の高さが浮き彫りとなった。シンポジウム後懇親会が開かれ、第1回シンポジウムの成功を祝った。


■追い上げ及ばず惜敗

 関東大学アメフト選手権

 関東大学アメリカンフットボール選手権・クラッシュボウルの準決勝が23日、駒沢陸上競技場で行われ、東大ウォリアーズは日体大ゴールデンベアーズと対戦した。
 試合は日体大が前半3つのタッチダウンを奪い主導権を握った。ウォリアーズも第1クォーターに60ヤードを独走するタッチダウンを奪い、第2クォーター終了間際にもタッチダウンには至らなかったが何度もチャンスを作った。後半に入りタッチダウンを奪われ、一時、点差は21点にまで広がったが、粘るウォリアーズは以後QB関のパスを中心とする攻撃がさえ、第3クォーター11分にWR樫村がタッチダウン。さらに第4クォーター4分にタッチダウンを奪ったほか、6分には再び樫村が関のパスを受けてタッチダウンを決め、1点差にまで追い上げた。しかし試合終了間際に日体大千葉にタッチダウンを奪われダメを押された。
 東大は日体大に惜敗し、決勝進出を果たすことはできなかった。



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