■旧駒場寮で強制執行
駒場寮67年の歴史に幕下ろす
東大駒場キャンパスにある旧学生寮「駒場寮」で22日午前、東京地裁の執行官が、寮内の学生を立ち退かせるための強制執行に着手した。大学側は学生を退去させた後、ただちに寮を取り壊して跡地に福利厚生施設を建設する予定で、駒場寮は67年の歴史に幕を下ろすこととなった。
| 反対する学生との衝突を警戒 して、ガードマンも動員された |
駒場寮は1934年に旧制一高の学寮として建設された。91年に東京都三鷹市に寮を移設・統合する計画が浮上し、建物の老朽化やキャンパス再開発を理由に廃止する方針を決定。96年に廃寮を宣言し電気やガスを止めたが、存続を主張する学生ら約40人が自家発電やカセットコンロで生活を続けていた。
手狭なキャンパスを有効利用したい大学と、「学生の意見を無視した取り壊しは、大学自治に反する」と訴える学生側は、500回以上の交渉を持った。97年に大学は、建物の明け渡しを求める民事訴訟を起こし、今年5月には東京高裁が、大学側勝訴の一審判決を支持する控訴審判決を出した。学生側は上告したが、判決は確定前の仮執行を認めていたため、東京高裁は8月21日を期限として立ち退きを求めていた。
台風の影響で一日延期したが、当日は教職員約370人に加え、ガードマン約200人が動員され、強制執行を実行。普段は開放している正門を閉ざし、学生証を確認して入構させるという対応をとった。警視庁も混乱を想定して機動隊を待機させた。
寮の前には、前日から寮内にとどまり夜を明かした100人以上の学生や応援組が集合。時折「強制執行反対」などと抗議したが、大きな混乱などはなかった。
⇒駒場寮廃寮への軌跡
■食道がん―52種類の遺伝子が関係
中村教授らが突きとめる
本学医科学研究所
本学医科学研究所の中村祐輔教授らの研究グループは、食道がんに対する抗がん剤の効果に、52種類の遺伝子が関係していることを突きとめ、効果の有無を事前に予測する方法を開発した。来月1日発行の米国がん学会誌「キャンサーリサーチ」に発表する。
抗がん剤の効き目を予測する、遺伝子パターンが見つかったのは初めてで、個々の患者に合わせた、効率的な抗がん剤治療への第一歩となりそうだ。
中村教授らは、進行した食道がんの手術後に抗がん剤治療を受けた患者2000人を対象に、再発せずに30か月以上経過した8人と、1年以内に亡くなった6人のがん細胞の遺伝子約1万種類を調べ、その働きに違いがあるか比べた。
その結果、29種類の遺伝子には抗がん剤を効きやすくする働きがあり、患者が長期生存するケースが多いことが判明。逆に、別の23種類の遺伝子については、これらが働くと抗がん剤が効きにくく、がんが再発しやすいことが分かった。
■第40回七大戦―力及ばず4位
京大が主管校破りで3連覇
第40回国立七大学総合体育大会(七大戦)が、6日の閉会式をもって全日程を終了した。結果は、1位京大、2位東北大、3位名大、4位東大、5位阪大、6位北大、7位九州大だった。京大が3連覇を成し遂げ、主管校破りした。
東北大は5日終了の弓道でアベック優勝を果たして合計86点を稼ぎ出し、2位に浮上した。東大は中盤の時点では最下位と苦戦していた。七大戦終盤の弓道、体操、自動車で健闘するものの力及ばず4位にとどまった。
なお、七大戦の得点集計方式として、今回から「新採点方式」が導入された。これまでは競技ごとに1位10点、2位8点、3位6点というように採点されていたが、この新採点方式の導入によって戦績がそのまま反映されるようになった。そのため、硬式庭球などトーナメント戦を採用している競技の場合、勝ち進んだ者とそうでない者との得点差が大きく開くことになった。
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