837号(2001年8月5日号)

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■伝統の演舞を披露

6大学の応援部ら熱演
国立七大学応援団・応援部合同演舞演奏会

 国立七大学応援団・応援部合同演舞演奏会が7月28日、安田講堂で開催された。当日は七大学のうち九州大学を除く六大学が集い、それぞれの大学の伝統と校風に彩られた演舞が披露された。

 T部は参加した全大学の吹奏団の合同演奏のもとで、各大学がチアリーダーのダンスなどを披露した。大阪大学の「明日があるさ」や東京大学の「オブラディ・オブラダ」など、耳に覚えのあるメロディにのって明るくリズミカルなダンスが披露されると、会場は拍手に包まれた。
 U部は各大学の応援団・応援部による演舞が行われ、各大学の伝統や持ち味を生かした演舞と学歌や応援歌が披露された。一大学約一時間にわたる熱演の中、東京大学運動会応援部は最後を飾り、東京大学応援歌「ただひとつ」、応援歌「闘魂は」を披露。六大学の中でも出演者数が最も多く、最後を飾るにふさわしい華やかで伝統の重みを感じさせる演舞となった。また同応援部は、現在応援団再興に向けて尽力している九州大学に向けた応援も行った。
 観客の中には応援団関係者も多く、OBらしい男性が「いいぞー」「しっかりやれ」などと野次を入れる光景も見られた。また大学の学歌を観客に起立させて斉唱する大学もあり、会場は出演者と観客の一体感に包まれた。
 最後に七大学団長を代表して東京大学運動会応援部の宮本賢也主将が「この演舞演奏会を通して皆さんに応援団や七大戦に関心をもって頂ければ幸いです」と挨拶し、プログラムを締めくくった。


■ヒト肺細胞で毒性評価

大気汚染調査の新手法
生産技術研究所迫田章義教授ら

 本学生産技術研究所の迫田章義教授、酒井康行講師は、ヒト肺細胞を使った有機溶剤ガスの簡単な毒性評価法を開発した。細胞が培養液と塩素系ガスの界面にあって実際の肺に近いモデルで、肺胞細胞は動物実験代替も可能なレベルであることを確認した。今後はディーゼル車で問題の浮遊粒子状物質(SPM)の評価に取り組む方針だ。  ヒトの吸気は喉|気道|気管支|肺胞と流れ、ごく薄い液層を介して肺胞細胞が気体と接触し、ガス交換を行う。そこで今回は、外側容器に培養液を入れたところに、半透明膜の底を付けたコップ状の内側容器を漬けて、半透明膜上で細胞を培養する装置を作った。内側容器にガスを送ると、細胞は薄い液層を通して接触する臓器と似た形が再現できる。  これを使って、50%の動物や細胞が死滅する濃度(LC50)をみると、ヒト肺胞細胞による有機溶剤の急性毒性評価はラット動物実験と同等となった。具体的にはテトラクロロエチレンでは肺胞が7000ppmで動物実験が4,300ppm。トリクロロエチレンでは肺胞が28,000ppmに対し、動物実験は12,500ppmで同じケタになった。別の気管支細胞は感受性が低かったが、タイプの違う細胞それぞれの影響を調べられる点がメリットだ。  大気汚染物質の毒性評価はほとんどが動物実験によるが、動物愛護や個体差の問題がある。これまでの肺細胞を使ったものでは、培養液に有機溶剤ガスなどを溶かしており、実際の状況と違ううえ、細胞がすぐに死滅していた。同研究グループは今後、基準濃度が今回よりも数ケタ厳しいSPMを対象に、濃縮過程を挟んだ測定法開発に取り組む。


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